建築業界に新たな風を吹き込むAI活用
株式会社Arentと株式会社協栄産業が、新たな業務提携を結び、建築積算および見積分野におけるAIの活用を共同で推進することが発表されました。具体的には、両社のテクノロジーを融合させ、建設業界の生産性向上を目指すというものです。この提携は、現代の建設業界が直面する複雑な課題に対する一つの解決策として注目を集めています。
業務提携の背景
建設業界では、図面を基にした積算や見積もり作業が重要ですが、これには多くの時間と専門知識が求められます。現在、労働人口の減少や専門人材の不足が問題視されており、効率化が喫緊の課題となっています。そのため、業務プロセスの見直しが急務です。この状況を受け、協栄産業は、全国1,500社以上にオンラインで積算ソフトを提供し、長年にわたりこの分野での支援を行っています。特に「FKS」シリーズは、業界内で広く用いられている実績のある製品です。
一方、Arentは建設業界に特化したデジタルソリューションを提供し、AIを活用した業務自動化への取り組みを進めています。今回の業務提携は、Arentが提唱する「AIブースト戦略」の一環であり、両社が共通のビジョンを持って共闘するものです。
協業の具体的内容
特に注目すべきは、この提携の第一弾として協栄産業の「FKS/FN SecondStage」を対象に、Arentの図面認識AIを利用した概念実証(PoC)が進められていることです。このPoCにより、図面情報を構造データ化し、積算作業の自動化の可能性を検証しています。
今後は、協栄産業の見積システムである「COMPASS 2.0」をはじめ、他のソフトウェアにもArentの生成AIを搭載し、積算・見積業務全体のさらなる効率化が図られる見込みです。
共催セミナー情報
この提携を記念し、両社は「建設DX展 東京(JAPAN BUILD TOKYO)」において、共同セミナーを開催します。テーマは「業務プロセスがAIで変わる!積算・見積領域での生成AIの可能性」。
セミナーの詳細
- - 日時: 2025年12月11日(木) 13時30分~14時15分
- - 場所: 東京ビッグサイト南展示棠1階(建設DX展 東京内)セミナー会場H
- - 登壇者: 株式会社協栄産業 IT事業本部 技師長 (工学博士)森谷靖彦氏、株式会社Arent 代表取締役社長 鴨林広軌氏
本セミナーでは、AIが建設業界の課題解決にどのように寄与するかを具体的な事例を基に解説します。特に、積算分野における業務プロセスの変革やAIの導入効果についても触れられる予定です。
今後の展望
両社はこの業務提携を通じて、建築積算・見積領域におけるAIの実装をスタートとし、さらに設計や施工管理など、建設業務全体に拡大する計画を持っています。AIを導入することで、誰でも簡単に業務を進められる環境を整え、専門知識に依存しない業務フローを実現します。これにより業務の効率化のみならず、属人的なノウハウの標準化や共有を推進し、組織全体の業務品質を均一化することを目指します。
会社概要
【株式会社協栄産業】
所在地:東京都品川区東品川4-12-6 品川シーサイドキャナルタワー
設立:1947年10月
代表者:代表取締役社長 平澤潤
事業内容:電子部品・金属材料・産業機器の販売、積算システムの開発
公式サイト
【株式会社Arent】
所在地:東京都港区浜松町2-7-19 KDX浜松町ビル3階
設立:2012年7月
代表者:代表取締役社長 鴨林広軌
事業内容:建設業界向けデジタルトランスフォーメーション支援
公式サイト
本提携に関するお問い合わせは、各社の広報担当までご連絡ください。