TXP Medicalと山形市、救急DXが日本DX大賞2025で正式に評価
2025年7月16日に開催される日本DX大賞2025サミット&アワードにおいて、TXP Medical株式会社と山形市の共同プロジェクト「救急DX」が地域DX部門で大賞を受賞しました。この賞は、全国の自治体や企業、教育機関による優れたデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みを表彰するもので、TXP Medicalと山形市のプロジェクトは、その中でも特に医療の質向上に寄与したと高く評価されました。
背景と課題
この取り組みの背景には、山形市の救急医療現場に残る課題が存在します。医療機関の受け入れがひっ迫し、救急隊と医療機関間の情報共有が非効率であったことが、搬送困難な事例の増加を招いていました。特に、アナログな情報連携は、医療資源が偏在する原因ともなり、それが搬送困難につながる要因となっていました。
導入施策
この課題を解決するため、TXP Medicalは「NSER mobile」と呼ばれる救急医療情報システムを導入。山形市消防本部や地域の医療機関にこのシステムを供給し、救急隊が現場でリアルタイムに傷病者情報を入力することが可能になりました。これにより、搬送中に患者の状態を医療機関に的確に伝えることができ、迅速かつ適切な受け入れが実現しました。また、山形市は近隣自治体とも連携し、医療圏を越えた広域運用を実施しました。
成果と評価
この取り組みの結果、搬送困難事例が減少し、救急隊と病院間のコミュニケーションが円滑になったことで、救急隊員の記録業務も大幅に効率化されました。また、地域医療の可視化が進むことで、エビデンスに基づいた政策の活用が可能になりました。これらの成果は、地域住民の生命を守るための重要な要素となっています。
会社のビジョン
TXP Medicalの医療DX事業部長である大西裕氏は、「このプロジェクトに関わった全ての方々に感謝します。私たちの目指す救急DXは、単なる効率化だけではなく、安定して住みやすい誇れる地域を作ることです。」と述べました。TXP Medicalは、今後も全国規模で「救える命を救う」救急DXを推進する意向を示しています。
企業概要
TXP Medical株式会社は、医療データを活用して命を救うことをミッションに掲げ、救急集中治療医によって設立されたスタートアップ企業です。彼らの基幹システム「NEXT Stage ER」は、全国の大病院で広く利用されており、救急隊向けの「NSER mobile」は1200万人以上の人口をカバーしています。TXP Medicalは、医療機関や自治体向けに急性期医療データプラットフォームを提供し、医療の質向上に寄与することを目指しています。