名古屋市で新たな保育制度が始まる
名古屋市南区に位置する社会福祉法人みなみ福祉会が運営する笠寺幼児園は、2025年10月に新たに開始される「こども誰でも通園制度」の実施園に選ばれました。この制度は、子育てに関するさまざまな課題を解決するための重要なステップとして期待されています。利用申請の受付は2025年8月から開始され、実際の事業運営は10月から始まります。
制度の背景と目的
近年、核家族化が進む中で、子育て世帯が抱える孤立感や育児への不安が深刻な問題とされています。特に0~2歳の子どもを育てている家庭では、保育所に通う子どもが少なく、社会とのつながりを持ちにくい状況が続いています。このような背景のもと、国は2023年6月に策定した「こども未来戦略方針」において、「こども誰でも通園制度」の創設を打ち出しました。これは、すべての子どもが育つ環境をサポートすることを目的としています。
笠寺幼児園の取り組み
笠寺幼児園では、既存の「リフレッシュ保育」と併せて、この新制度を導入することで、より多くの子どもたちに保育の場を提供することが可能になります。同園はすでに一時保育を実施しており、保護者からは非常に好評を得ています。2024年度には507件の一時保育が実施され、その中で254件が家庭の気分転換や休養を目的に利用されています。
園長の横井雅哉氏は、「この制度の導入により、今まで保育の対象となりにくかった家庭のお子さんも、気軽に保育の場を利用できるようになります。」と話し、すべての子どもに対して個別に寄り添った保育を実現することに意欲を示しています。
利用方法・手続き
利用開始
- - 開始日: 2025年10月
- - 対象: 名古屋市内在住の生後6ヶ月から3歳未満の未就園児
保育の必要性の事由は問いません。
申請手続き
1. 専用サイトでの利用申請
2. 事務センターでの申請受付
3. 国のシステムでの事前面談の申し込み
4. 利用希望事業所での事前面談
5. 利用希望日の予約
6. 利用開始
このプロセスに関する詳細は、名古屋市の公式サイトにて確認できます。
みなみ福祉会の成り立ち
みなみ福祉会は、昭和26年に設立されて以来、名古屋市南区で児童福祉に取り組んできました。保育所や認定こども園を含む合計6つの施設を運営し、地域貢献に尽力しています。理事長の近藤敏矢氏は、これまでの経験を生かし、保育のデジタル化を進めるなど、時代に即したサービスを提供しています。
今後の展望
子育て家庭のニーズは多様化しており、今後も保育所に求められる機能は増加することが見込まれています。みなみ福祉会は「誰もが繋がり、助け合う社会を創る」という理念のもと、地域の福祉向上に寄与することを目指しています。また、地域子育て支援拠点ぷるぷでは、名古屋市の子育て情報を提供し、いつでも立ち寄れる場を設けています。
新たな「こども誰でも通園制度」により、名古屋市の子育て環境は大きく変わることでしょう。この制度を利用し、安心して子育てができる社会の実現に向けた一歩を踏み出してみませんか?