川崎市と小田急が連携したごみ分別率向上プロジェクト
川崎市と小田急電鉄株式会社(本社:東京都新宿区)は、令和7年10月13日からごみ分別率の向上を目的とした実証実験を開始しました。この取り組みは、両者の連携により実施され、収集車の運行管理を支援するシステム「WOOMS(ウームス)」を活用します。本実証実験は、2023年7月30日に締結された協定に基づき始まったものです。
実証実験の目的と内容
この実証実験では、ゴミ収集車の運行管理にデジタルトランスフォーメーション(DX)を導入し、配送データを収集および分析します。その結果、プラスチックなど資源物の混入状況を把握し、ごみ分別率を向上させるための広報活動につなげることを目指します。
加えて、収集業務の安全性向上を図り、今後の川崎市における活用可能性を探っていきます。具体的には、タブレット端末を通じて収集車の運行状況をリアルタイムでチェックできます。
WOOMSの機能について
WOOMSは、インターネット上で動作するごみ収集支援システムです。各収集車にはGPS機能付きのタブレットが設置されており、収集ルートの作成、ナビゲーション、収集状況の即時共有が可能です。収集職員が撮影した画像は、位置情報とともに共有され、集積所ごとの条件や見通しの悪い交差点の注意事項も事前に表示されることで、業務の見える化が実現されます。
収集車の運転情報(速度、運行時間など)をデータ化することで、ドライバーの業務の負担を軽減し、スキルの平準化も図ることができるのが特徴です。
実証実験の詳細
実証場所
実証実験は、高津区と宮前区のエリアで行われ、約15,000か所の集積所を対象とします。これにより、普通ごみとともに集められるプラスチック製容器包装の混入状況を把握することが目指されています。
実証期間
実証期間は令和7年10月13日から12月13日までの約2か月間で、対象車両は市が運営する通常のごみ収集車40台です。
実施内容
실증期間中は、以下の2つのテーマに基づいて取り組みが行われます。 1.
プラスチック製容器包装の混入状況把握 収集時に特に混入が目立つ集積所では、収集職員がWOOMSを使い混入状況をリアルタイムで共有し、そのデータを活用して地域の特徴を認識します。 2.
古紙収集の効率化 普通ごみ収集時に古紙類を分別し、別の車両で循環回収することによって、効率的に収集を行い、資源化量を増やすことが期待されています。
今後の展望
川崎市は、実証フィールドを提供することにより、データを活用した広報活動や効果の分析を行います。小田急電鉄は、実証実験に必要な資機材を無償で提供することが予定されています。実証実験終了後は、収集データや職員へのフィードバックを基に効果を検証し、課題の抽出を行った上で、今後の取り組みを検討します。これにより、さらなるごみ分別の向上と資源の有効活用が期待されます。