はじめに
介護業界では、職員の離職が大きな課題となっています。これを解決するために必要な要素として「学び」の重要性が浮き彫りになっています。株式会社ガネットが実施した「現場での学びや指導に関する意識調査」によって、介護職員が「もっと学びたい」という意識が非常に強いことが明らかになりました。
調査概要
ガネットが行った調査は、2025年の介護職員の学びと定着に関する意識調査で、調査期間は9月1日から11月30日までの約3ヶ月間です。対象者は実際に現場で働く介護職員など68名で、勤続年数が1〜5年の職員を対象にしました。調査の目的は、現場の学び意欲を把握し、教育体制や離職要因の実態を明らかにすることです。
学びの欲求
調査結果によると、93%もの職員が「もっと学びたい」と回答しました。自己改善を求める声が多く、例えば「実践的な研修がもっと欲しい」「教える側も学ぶ時間が必要」など、学びの機会の増加を期待する意見が寄せられました。また、86%の職員が「学ぶ機会があったことでこの職場で働き続けたい」と思っていると答え、教育機会が職場へのエンゲージメントを高め、離職防止にもつながることが確認されました。
教育の不足が離職につながる
調査では、教育と離職問題がどう関連しているのかも考察されました。教育が不足している理由は単なる研修の数の問題だけでなく、時間や内容、指導者の品質に起因する構造的な問題が影響していることが明らかになりました。具体的には、勤務時間外での受講が前提となうため、学びが「負担」として認識されてしまうことが挙げられます。また、現場ニーズと研修内容の接続がなければ、学んでも実際に役立たないというギャップが生じます。これにより職員は成長を感じられず、モチベーションが低下し、離職意向が高まるという悪循環が発生します。
学校機能構築プロジェクトの取り組み
ガネットは、上記の問題を解決するために「学校機能構築プロジェクト」を推進しています。このプロジェクトでは、教育を単発のイベントではなく、組織の中核を支える経営インフラとして設計されています。具体的には、勤務時間内で学べる環境の提供、現場ニーズに合った実務連動のカリキュラム、資格取得と評価を結びつけたキャリアパスの設計などが含まれます。
評価指標の重要性
ガネットでは教育体制の評価指標も整備しており、研修参加率や資格保有率、教育マニュアルの整備状況などを定量的に把握することが可能です。これらの指標を用いて、教育がどの程度組織に浸透しているかを測定し、適切な改善を行うことができます。
まとめ
今回の調査結果は、多くの介護職員が「学びの機会」を求めており、それが離職防止につながる重要な要素であることを示しています。教育は単なる研修の提供ではなく、人材の定着やサービスの質向上を支える経営基盤であるといえます。ガネットの「学校機能構築プロジェクト」は、こうした教育の重要性を踏まえた取り組みとして、全国の介護事業者に展開されています。今後も、介護業界全体が人材育成に力を入れ、質の高いサービス提供につなげていくことが期待されます。
お問い合わせ先
この取り組みに興味のある方は、ぜひガネットの公式サイトをご覧ください。介護職員の教育に関する相談や、簡易診断を通じてのサポートも行っております。360度キャリアの成長を支える仕組みを一緒に構築していきませんか?
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