公共機関におけるストレージ廃棄の課題
近年、公共機関が利用するデータストレージ、特にソリッドステートドライブ(SSD)の廃棄が注目されています。Blanccoが実施した調査によると、日本の公共機関は毎年約5億3,000万円を費やしていることが明らかになりました。この調査は、606名のIT部門のリーダーを対象に行われ、その内の60名が日本からの回答者でした。
書き換えられるコスト
調査によれば、SSDの物理破壊にかかるコストは、年間約1億8,400万円に達しているとのこと。また、SSD交換にかかる追加コストが約3億4,600万円となると、合計で約5.3億円に達します。これにより、公共機関にかかる財政的な負担が大きくなっています。
環境的な観点
国連の「Global E-waste Monitor 2020」でも、電子廃棄物(e-waste)の増加が問題視されています。日本の公共機関も例外ではなく、不要な電子機器の処理に関連して、環境への影響が懸念されています。実に、回答者の60%がSSDを物理破壊するのではなく再利用する方法が望ましいと考えている一方、実際にその計画を実行しているのは22%未満という現状です。
セキュリティの問題
もちろん、機密情報が保存されていたSSDについては、物理破壊が必須とされています。しかし、機密情報でないものについては、物理破壊以外のデータ消去方法も選択肢として歓迎されるべきです。興味深いことに、調査によると、日本の回答者の82%がデータ消去を「再フォーマット」で行っていると答えていますが、これは情報漏洩のリスクを完全には排除しません。
持続可能性の必要性
BlanccoのAPACディレクターである森田将幸氏は、公共機関が抱える環境的な圧力と財政的な制約に言及し、持続可能なソリューションの採用が急務であると指摘しています。具体的には、デバイスの寿命を延ばし、使用可能なSSDの再利用を進めることで、数億円の予算を無駄にしないための戦略が求められています。
調査の結果と今後の方向性
調査の結果、以下のことが判明しました:
- - 39%の回答者が、SSDの物理的破壊が法的に義務付けられていると理解し、全てのSSDを物理的に破壊している。
- - 49%はデータ消去のための物理破壊が他のソリューションよりも安価だと考えている。
- - 19%はデータ消去の代替策を知らない。
これらの結果から、公共機関では持続可能なIT資産管理の重要性が高まっています。法令遵守を維持しつつ、がんばって持続可能な方法を見つけていくことが求められています。
結論
公共機関のストレージ廃棄は、単なる経費の問題だけではありません。環境への圧力やデータセキュリティの課題も考慮された、持続可能な変化が求められています。今後の政策においては、より効率的かつ環境に優しいデータの管理方法が必要とされるでしょう。