北海道帯広市で122年もの長きにわたり、地域住民に親しまれてきた商業の象徴「旧・藤丸百貨店」。その突然の閉業は多くの人々に衝撃を与え、復活を願う声が絶えませんでした。この度、その切なる願いに応えるべく、藤丸百貨店再生プロジェクトが本格的に動き出し、2030年の新店舗開業に向けた壮大な計画が発表されました。
地域に根差した百貨店の歴史と閉業、そして再生への道のり
1900年の創業以来、帯広の商業の中心地として、地域に深く根付いてきた藤丸百貨店。しかし、時代の変化とともに経営は厳しさを増し、惜しまれながらも2023年にその歴史に幕を閉じました。地域経済への影響は大きく、人々の間には喪失感が広がったのです。そんな中、地元帯広に本社を置く株式会社そらが、帯広・釧路エリアで事業を展開する村松ホールディングス株式会社とタッグを組み、藤丸の再生プロジェクトを牽引。そして今回、商空間プロデュースの豊富な実績を持つ株式会社スペースが「藤丸サポーター」としてこのプロジェクトに参画し、再生への期待が一段と高まっています。
2030年、新たな「藤丸」の誕生と、それまでの「藤丸パーク」
プロジェクトの核となるのは、旧藤丸百貨店跡地に2030年春の開業を目指す(仮称)「新藤丸」です。単なる商業施設の復活に留まらず、店舗や「あそび場」といった多機能な空間を持つ複合施設として、地域に新たな賑わいを創出することが構想されています。敷地面積は約4,200㎡に及び、帯広のランドマークとして再び輝くことが期待されます。
新藤丸の完成までにはまだ数年ありますが、その間も地域の期待感を醸成し、コミュニティとの繋がりを深めるための取り組みとして、2025年初夏には近隣の遊休地に仮設商業施設「藤丸パーク」が開設されます。約3,200㎡の敷地には、トレーラーハウスを活用した商業エリアが設けられ、新規店舗の参入を促すべく、低賃料や柔軟な更新期間が設定される予定です。これにより、新しいビジネスの挑戦を後押しし、地域の活気を生み出す場となるでしょう。さらに、イベントエリアではマルシェやライブなど、様々な催しが企画されており、地元「広小路商店街」とも連携し、帯広全体を巻き込んだ周遊促進策が展開されます。
株式会社スペースが担う「賑わい」のデザイン
株式会社スペースは、長年培ってきた商空間づくりのノウハウを活かし、この壮大な再生プロジェクトに貢献します。特に「藤丸パーク」においては、その企画・設計・施工を全面的に手掛けるほか、往年の「藤丸ロゴ」を復刻させ、デザイン面でもプロジェクトを盛り上げます。施工にあたっては、地元企業の協力を積極的に仰ぐことで、地域コミュニティとの絆を一層強固なものとし、地域経済への貢献も目指しています。
「(仮称)新藤丸」が目指すのは、単なる百貨店の再建ではありません。商業施設としての再生はもちろんのこと、近隣エリアを含めた地域全体を巻き込み、新たな価値と賑わいを創出する交流の場となることです。株式会社スペースは、地域に密着した商空間プロデュース企業として、地元企業や地域社会との信頼関係を一層強化し、豊かな社会の実現に貢献していく姿勢を示しています。藤丸の復活は、帯広の未来を拓く希望の光となるでしょう。