新たな技術で養豚業をサポートする「PIG LABO® Growth Master」
日本ハム株式会社は、養豚業を支援するためのシステム「PIG LABO®」の第二弾として、豚のAI体重推定装置「PIG LABO® Growth Master」のテスト販売を2024年10月から開始することを発表しました。この新しい装置は、豚舎に設置されたケーブル移動式の3Dカメラと人工知能(AI)を活用し、豚の体重を自動的に測定することができる仕組みです。
現在、豚の体重は手作業で計測されることが多く、養豚業界においては効率化が求められています。特に、体重測定は多くの労力を要し、豚に対するストレスの原因にもなっています。「PIG LABO® Growth Master」の登場は、この課題を解決するための一助となるでしょう。
高度な技術による体重測定
「PIG LABO® Growth Master」は、ケーブルに設置された3Dカメラが豚舎内を巡回し、撮影した画像データを基にAIが各豚の体重を推定します。この技術により、豚を別の場所に移動させる必要がなくなり、作業者の負担が大幅に軽減されます。また、動物福祉の観点からも、ストレスの少ない環境での体重測定が可能です。
加えて、この装置は複数の区画にも対応できるため、1台の装置で異なるエリアの豚の体重を推定することができます。電子タグを利用し、各位置ごとに群れの体重を算出することも可能で、ユーザーはパソコンやタブレットを通じて、リアルタイムでデータを確認できます。
養豚業の現状と課題
現在、世界的な人口増加に伴い食肉需要が高まっていますが、日本国内の養豚業は高齢化する飼育者や生産性の向上が急務とされています。また、一部の作業者による大規模な養豚が進む中で、労務負担を軽減するための新技術の導入が期待されています。「PIG LABO® Growth Master」は、これらの課題に対応し、より快適な飼育環境を実現すべく設計されています。
この技術は、ニッポンハムグループが目指す「PIG LABO®」システムの一環として、母豚の繁殖から仔豚の育成、出荷までの全段階を視野に入れたものです。このような先進的な取り組みは、養豚業界のさらなる活性化と社会問題の解決に寄与することが期待されています。
共同開発の成果
「PIG LABO® Growth Master」は、日本ハムと国立大学法人宮崎大学工学部の研究者たちによる共同開発の成果として誕生しました。これにより、最新のデジタル技術を取り入れ、養豚業の未来を見据えた新たなサービスを提供することが可能になっています。
2022年10月に開始された「PIG LABO® Breeding Master」に続くこの新製品は、今後の養豚業界の進化に大きな影響を与えることでしょう。今後の展開が非常に楽しみです。