タニタが視覚障害者向けに凸点シールを無償配布
健康総合企業として名を馳せる株式会社タニタが、2月20日から視覚に障害のある方を対象に、凸点シールを無料で配布する新しい挑戦を始めます。この凸点シールは、小さな粒状で、指で触れることでボタンやスイッチを識別しやすくし、タニタ製品の使い勝手を向上させることを目的としています。
背景と意義
この取り組みは、グループ会社であるサウザンスマイルズが運営するニュースメディアを通じて集められた、視覚障害者へのフィードバックをもとにしているとのことです。タニタは「Healthy Habits for Happiness」という企業スローガンのもと、健康習慣の支援を重要な使命として掲げています。お客様の健康づくりをサポートするためには、新商品だけでなく、既存商品をより使いやすくすることも大切であると認識しています。
これまでの活動
タニタは約50年前から視覚障害者に向けた商品を展開しており、初めての製品は1970年代に登場した点字文字を使用したクッキングスケールでした。さらに、音声で体重を読み上げる「音声体重計」や、音声案内機能付きの「体組成計インナースキャンVoice」など、数多くの視覚支援商品を開発してきました。このように、タニタは常に視覚障害者の声に耳を傾け、技術革新を行ってきました。
新たな取り組みの開始
2021年には障害者差別解消法が改正され、2024年からは事業者による合理的配慮の提供が義務化されます。その流れを受けて、サウザンスマイルズは視覚障害者の協力を得てニュースメディア「thousandsmiles」を制作し、2022年から運用しています。このメディアは総務省の「情報アクセシビリティ好事例2023」にも選定され、その評価が広がっています。タニタもサウザンスマイルズとの連携を強化し、今後の製品開発においても視覚障害者の意見を取り入れる姿勢を強化しています。
配布概要
今回の凸点シールの無償配布は、タニタ商品を使用している視覚障害者が対象です。配送されるシールは、6粒入りで、シールの使用方法や申し込みについては、タニタのお客様サービス相談室で承ります。申し込み受付は電話のみで行い、平日の午前9時から午後5時まで受け付けています。これは、社会福祉法人日本点字図書館との協力の下に行われる企画でもあります。
まとめ
タニタの新たな取り組みは、視覚障害者の方々にとって、製品利用の利便性を向上させる大きな一歩となるでしょう。今後もタニタは、全ての人の健康づくりを支援するため、さらなる努力を続けていくことを目指しています。このような企業の姿勢は、社会全体のインクルーシブな環境の実現につながることを願っています。