生命保険業界のブランド認知度:日本生命がトップを維持、他社は認知度向上に課題
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が実施した「NPSベンチマーク調査 生命保険部門」の結果をもとに作成されたブランドロイヤルティ分析レポート【ブランド認知浸透度分析編】が発表されました。本レポートでは、生命保険業界におけるブランド認知度の現状を、純粋想起率、助成想起率、そしてパーチェスファネル分析から詳しく分析しています。
純粋想起率:日本生命がトップ、アフラックと第一生命が続く
13社の生命保険会社を対象に、ヒントなしに思い出すブランド名を自由回答形式で調査した結果、純粋想起率の平均は15.6%でした。最も多くの人が真っ先に思い浮かべたブランドは日本生命で、トップ・オブ・マインド率は32.3%を記録しました。続くのはアフラック(11.3%)と第一生命(11.1%)となっています。
助成想起率:アフラック、かんぽ生命、日本生命が上位に
次に、13社の生命保険会社名を提示し、知っている会社を選択形式で調査した助成想起率は、平均76.6%でした。トップはアフラック(87.4%)、次いでかんぽ生命(86.1%)、日本生命(85.4%)と、認知度が高いことがわかります。
純粋想起と助成想起に基づくポジショニング
純粋想起率と助成想起率を組み合わせることで、各社のポジショニングを分析することができます。日本生命など5社は、助成想起も純粋想起も高い「リーダー」に位置づけられます。一方、助成想起は高いものの純粋想起が低い「レガシー」に位置づけられたのは3社、そして純粋想起も助成想起も低い「マイノリティ」に位置づけられたのは5社でした。
「マイノリティ」に位置する企業は、ブランド認知度が低いことから、まずは助成想起を高めることが課題となります。「レガシー」に位置する企業は、市場に浸透しているものの、消費者に強い印象を残せていない状況と言えます。このように、純粋想起と助成想起を分析することで、各社は自社のポジショニングを把握し、認知度向上に向けた戦略を立てることができます。
パーチェスファネル分析:認知から検討へのフェーズで脱落率が高い
生命保険の契約プロセスを「認知」、「探索」、「検討」、「契約」の4つのフェーズに分け、パーチェスファネル分析を行いました。その結果、生命保険業界全体では、「認知→探索」のフェーズにおいて離脱率が最も高いことが明らかになりました。これは、生命保険という商品の特性上、消費者が契約に至るまでに多くの情報収集や検討が必要となるため、初期段階での興味関心の維持が難しいと考えられます。
認知度向上と顧客獲得に向けた戦略
今回の調査結果から、生命保険業界全体では認知度向上と顧客獲得に向けた戦略が必要であることがわかります。特に、「マイノリティ」に位置する企業は、積極的にマーケティング活動を行い、自社のブランド認知度を高める必要があります。「レガシー」に位置する企業は、消費者に強い印象を与えるような新たなブランド戦略を検討する必要があるでしょう。また、パーチェスファネル分析の結果を踏まえ、各フェーズにおける顧客の離脱率を抑制するための施策を検討することも重要です。
まとめ
今回の調査結果から、生命保険業界におけるブランド認知度の現状と課題が明らかになりました。各社は、自社のポジショニングを把握し、認知度向上と顧客獲得に向けた戦略を強化していく必要があるでしょう。