SPring-8-Ⅱの潜在的利用ニーズ調査分析報告書が公開！新産業創出に向けた期待が高まる

文部科学省は、SPring-8の高度化（SPring-8-Ⅱ）に向けた議論を進めており、令和6年7月19日に「産学におけるSPring-8-Ⅱの潜在的利用ニーズに関する調査分析報告書」を公開しました。

この報告書は、SPring-8の高度化によって、どのような新産業等の立ち上げが期待できるのかについて調査したものです。SPring-8の高度化は、次世代半導体の量産やGX社会などを実現していく上で不可欠な最重要基盤施設であり、新産業・新分野による利用という観点から、SPring-8のユーザーをより一層拡大する必要があるとされています。

報告書では、SPring-8-Ⅱの潜在的利用ニーズを分析し、以下の様な新産業創出の可能性が示されています。

次世代半導体開発: SPring-8-Ⅱは、次世代半導体の開発に不可欠なナノテクノロジー分野において重要な役割を果たすことが期待されています。
新素材開発: SPring-8-Ⅱは、新素材の開発や特性解析に貢献し、次世代のエネルギー技術や医療分野の発展を促進すると予想されています。
* 医薬品開発: SPring-8-Ⅱは、創薬研究や医療診断技術の向上に役立ち、新たな治療法や診断方法の開発に貢献すると期待されています。

文部科学省は、この報告書を基に、SPring-8-Ⅱの高度化に向けた取り組みを加速させ、産学連携によるイノベーションを促進していくとしています。

SPring-8-Ⅱとは？

SPring-8は、兵庫県にある世界最高性能の放射光施設です。放射光とは、電子を光速近くまで加速し、磁石によって曲げると発生する強力な光のことです。SPring-8-Ⅱは、SPring-8の性能をさらに向上させるための計画です。

SPring-8-Ⅱの高度化により、より高輝度でエネルギーの高い放射光が得られるようになり、これまで以上に精密な分析や観測が可能になります。これにより、様々な分野において新たな発見や技術革新が期待されています。