次世代エネルギーを実現する日本ガイシとトレックスの新たな挑戦

日本ガイシ株式会社とトレックス・セミコンダクター株式会社が共同で開発した革新的な製品、太陽電池を搭載した「EnerCera」充電モジュールが注目を集めています。こちらは、有機薄膜太陽電池やペロブスカイト太陽電池といった次世代の技術を駆使したもので、エネルギー供給の新たな可能性を切り開くものです。

太陽電池モジュールの課題

従来の太陽電池を使用する場合、特に室内光や弱い光源下ではその効率が低くなりがちです。これにより、電力供給が限られ、使用用途も制約されてしまうという課題が存在していました。しかし、新開発のモジュールでは、この課題を克服するための技術革新がなされています。

EnerCera充電モジュールの特長

今回のモジュールでは、太陽電池と日本ガイシが提供する「EnerCera」、さらにトレックスの超低消費電源ICを組み合わせることによって、驚くべき特長が実現されています。具体的には、100μW程度の微弱な電力でもEnerCeraに効率的に充電できる仕組みが整っており、これによりシステム駆動に必要な十分な電力を供給することが可能となりました。この技術により、従来の使用制限が大幅に軽減され、使用範囲が広がります。

また、このモジュールはフィルム型の太陽電池を使用しているため、軽量かつ薄型で曲げることもできます。これにより、ウエアラブルデバイスやIoTエッジデバイス、さらには工場やオフィスの室内環境モニタといった様々な分野での応用が期待できます。

展示会での評価

この新しい電池モジュールは、アメリカの「Sensor Converge 2025」にて展示される予定です。この展示会は、最新の技術を紹介する場として注目を浴びており、日本ガイシの共創施設でもその展示が予定されています。このような場での評価は、今後の製品普及において大きな推進力となるでしょう。

EnerCeraとは？

「EnerCera」とは、日本ガイシが開発した超小型・薄型のリチウムイオン二次電池です。特筆すべきは、独自の結晶配向セラミックス板を電極として使用している点です。この特殊な構成により、高容量と高出力を実現しつつ、長寿命と高耐熱性を兼ね備えています。ここで得られる特性は、IoTデバイスの電源要求に最適化されており、その実用性の高さから多くの賞も受賞しています。

企業のビジョン

日本ガイシ株式会社

日本ガイシは1919年の創業以来、セラミック分野のリーダーとして活動を続けてきました。環境問題への取り組みを重視し、自動車排ガス浄化や蓄電システムの開発など、多岐にわたる分野で貢献を果たしています。特に「NAS電池」や「EnerCera」など、持続可能なエネルギーインフラ構築には欠かせない製品を提供しています。