スギノマシン、CNT分散剤としてのBiNFi-s活用技術資料を公開 - ナノファイバー技術で高機能材料開発を促進 -
株式会社スギノマシン(富山県滑川市)は、天然由来のセルロースを原料としたナノファイバー「BiNFi-s」の活用に関する技術資料(テクニカルレポート)を公開しました。
この技術資料では、同社の湿式微粒化装置「スターバースト」とBiNFi-sを分散剤として併用した分散事例を紹介しています。
CNT分散剤としての応用
カーボンナノチューブ(CNT)は、導電性や熱伝導性に優れた特性を持つことから、様々な用途への応用が進んでいます。特に、電気自動車や携帯端末用のリチウムイオン電池(LiB)電極の電気抵抗を低減する導電助剤として、需要が高まっています。
CNTを効果的に活用するためには、均質で高分散なCNT分散液が求められます。しかし、CNTは水にも有機溶媒にも分散しにくく、さらに、過剰なダメージを与えずに、CNTのチューブ構造を維持しながらの高度な分散が課題でした。
スギノマシンの技術革新 - BiNFi-sとスターバーストの連携
スギノマシンは、これらの課題解決に向け、BiNFi-sとスターバーストを組み合わせた独自の技術を開発しました。
BiNFi-sは、セルロースナノファイバーであり、CNTの分散安定化に貢献します。スターバーストは、超高圧の水流と原料同士を超高速で衝突させることで、微粒化(分散・乳化・粉砕・へき開等)を行う装置です。
この技術資料では、BiNFi-sとスターバーストを併用することで、ナノレベルで均一分散したCNT分散液を実現できたことが報告されています。
CNT分散液の特性
技術資料では、CNT分散液の以下の特性について詳細な分析結果が示されています。
分散安定化: BiNFi-sを添加することで、CNTが均一に分散され、安定した分散液が得られます。
減粘効果: BiNFi-sはCNT分散液の粘度を大幅に低減させる効果があり、扱いやすさを向上させます。
*
塗膜化と表面抵抗率: CNT分散液で塗膜を作製した場合、BiNFi-sを添加することで、汎用分散剤と比較して表面抵抗率が減少しました。これは、LiBの導電助剤など、高い導電性が求められる用途への活用に期待できます。
スギノマシンの技術資料
今回の研究成果は、スギノマシンが発行している技術資料(テクニカルレポート)で詳細に報告されています。各種実験データや実用化に向けた技術情報が掲載されており、スギノマシンのWebサイトからダウンロード可能です。
今後の展開
スギノマシンは、今後もBiNFi-sやスターバーストなどの技術革新を通じて、高機能材料開発を促進し、様々な分野に貢献していくことを目指しています。
詳細はこちら: https://www.sugino.com/download/?category=178&product=&filter_category=technical_report