不登校の実態
2023-11-16 09:58:37
不登校の背景を探る:保護者アンケートが明らかにする現状とニーズ
不登校の背景を探る:保護者アンケートが明らかにする現状とニーズ
最近の調査によると、不登校の子どもを育てる保護者の86%が、子どもへの対応や将来に関して何らかの悩みを抱えていることが判明しました。この調査は、2023年10月6日から12月31日まで実施されたもので、主に「不登校のきっかけ」に関連した意見が集められました。
調査結果の要旨
不登校を引き起こす主な要因として、最多の回答が「先生との関係」にあり、次いで「学校のシステムの問題」が挙げられました。具体的には、261人(33.5%)が先生との関係を挙げ、204人(26.2%)が学校のシステムの古さや風土に起因すると述べています。特に、先生との関係の重要性は、この調査からも明らかになっています。
保護者の悩み
調査対象となった保護者は、現在の教育制度に対し厳しい見解を持つ人が多く、子どもが適切な環境に出会えていないと感じていることも数値に表れています。「お子さん本人にとって適切な居場所(学校を含む)に出会っていると思いますか?」との質問に対し、46%が「そう思わない」と回答しました。これは、多くの親が不安や将来への懸念を持っていることを示しています。
行政に求める支援
調査結果では、保護者が行政に望む支援のトップに「フリースクールなど、学校以外の場が無料または利用料減免」とあり、75.4%がこの意見に同意しています。さらに、教育支援センターやスクールカウンセラーの利用状況についても触れられ、利用者が満足していない現状が浮き彫りになりました。
施策とニーズのギャップ
調査からは、施策と当事者のニーズとの間に明らかなギャップが存在することが確認されています。たとえば、教育支援センターを利用して「助けになった」と感じている割合は19.1%に過ぎず、多くの保護者が支援を求めても実際には満足のいかない結果が返ってきていることが分かりました。この現状は、発展的な支援策や改善策の必要性を強調しています。
調査の意義
本調査は、文部科学省が行った「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校に関する調査結果」と対比しながら、不登校問題における実態を可視化し、保護者の声を重要視することが目的です。特に、保護者のリアルな声を集約し、教育政策に反映させるための第一歩となるでしょう。
今後の展望
この調査を基に、年明けにはさらに多くのデータが公開され、特定のアプローチを提案するシンポジウムも予定されています。「不登校の子どもや保護者の実態に即した施策」を議論し、実効性のある解決策を模索していくことが求められています。各地域で取り組むべき課題は多岐にわたり、それらを解決するためには、官民が協力し合う姿勢が必要です。保護者の声に耳を傾けることで、より良いサポート体制が構築されることが期待されます。
会社情報
- 会社名
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特定非営利活動法人多様な学びプロジェクト
- 住所
- 神奈川県川崎市高津区新作1-22-13-104G-PLUSS内
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