がん免疫療法の新展開:HTL0039732が進行中の臨床試験を発表
新たながん免疫療法候補薬HTL0039732の臨床試験について
近年、がん治療の分野で注目を集めている免疫療法。その中でも、ネクセラファーマ株式会社が開発したがん免疫療法候補薬HTL0039732(NXE0039732)が新たな進展を見せています。これに関連する第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験が、2024年9月13日から17日にスペイン・バルセロナで開催される「欧州臨床腫瘍学会(ESMO)」で発表される予定です。
臨床試験の詳細
本臨床試験は、進行性の固形がんを対象にHTL0039732の安全性や薬物動態、そして免疫療法との併用効果を評価するものです。主に、単剤での効果や、アテゾリズマブとの併用による抗腫瘍活性を探求しています。この試験は、Cancer Research UKが資金を提供し、ケンブリッジ大学の専門家であるBristi Basu博士とDebashis Sarker博士が総括しています。
ESMO Congress 2024での発表予定
Debashis Sarker博士は、2024年9月14日に「実施中の臨床試験」としてポスター発表を行います。この発表では、HTL0039732がどのように進行性固形がんにアプローチし、免疫系を強化する可能性について解説される予定です。彼はこの機会を非常に喜んでおり、この新薬候補ががん治療にどのように貢献できるかを期待すると表明しています。
HTL0039732について
HTL0039732は、ネクセラファーマの「NxWave™」プラットフォームを使用して開発された経口投与可能な低分子医薬品候補です。PGE2という物質のEP4受容体を阻害することで、その効果を示します。PGE2はがん微小環境においてがん細胞が免疫回避をするのを助けることが知られていますが、HTL0039732がこのシグナルを遮断することで、免疫系ががん細胞を効果的に識別し、攻撃する能力を向上させると期待されています。
今後の展望
2023年8月には最初の被験者への投与が行われ、現在、英国の複数の病院で被験者の募集が進んでいます。この試験によって得られるデータは、がん免疫療法の新たな可能性を明らかにし、さまざまな固形がんに対する治療法の選択肢を増やすことが期待されています。
次世代のがん治療に向けて、HTL0039732がどのような結果をもたらすのか、今後の展開に注目が集まっています。がん治療の進化を後押しする新しい道筋が開かれることを願ってやみません。
会社情報
- 会社名
-
ネクセラファーマ株式会社
- 住所
- 東京都港区赤坂9-7-2 ミッドタウン・イースト7F
- 電話番号
-
03-5962-5718