茨城高専が中学生と共に挑む生成AI教育と地域活性化

茨城高専が実践する生成AI教育

茨城工業高等専門学校（茨城県ひたちなか市）は、地域の中学生に向けて生成AIを活用した教育プログラム「KOSEN×勝田中等サマースクール」を開催しました。令和7年8月26日、同校の高専生が市立勝田中等教育学校で行ったこのプログラムは、中学生が生成AIの技術を用いて地域活性化のアイデアを考える内容となっています。

生成AIと教育の新たな関係

近年、AI技術が急速に進化する中、その効率的な利用方法が教育現場でも模索されています。茨城高専では、生成AIを単なる作業の効率化ツールとしてだけではなく、「思考力を育むパートナー」と位置づけています。この視点を持つことで、学生たちはより深くAIを利用した学びが実現されるのです。

グループワークで地域課題に挑戦

このサマースクールでは、中学生21名が6つのグループに分かれて「地域活性化」というテーマに取り組みました。グループには高専生がティーチング・アシスタントとして参加し、生成AIの技術支援を行いました。生徒たちは廃棄果物や廃校の活用法など、さまざまなアイデアを創出しました。

PBLと生成AIの融合

茨城高専の教育方針の一つに、プロジェクト型学習（PBL）が広がっています。今回のサマースクールでも、初めに人間が中心になって課題設定やアイデア創出を行い、その後に生成AIを活用してアイデアを具体的な提案に発展させる手法が採用されました。このような流れにより、中学生たちは独自の視点での考えを構築しやすくなりました。

学びの成果と高評価のアイデア

最終的には、参加した中学生の発表が行われ、市内の廃校を利用した「昼はコンセプトカフェ、夜はお化け屋敷」のアイデアが特に注目を集めました。具体的なマーケティング戦略が評価され、多くの参加者から高い評価を受けました。授業終了後のアンケート結果によれば、中学生の90％以上が「新しい学びを得た」と回答し、高専生たちも「教えることで自身の理解が深まった」との感想を述べています。