2024年の味の地域差を探る：若者のしょっぱい味好みの拡大

株式会社日本能率協会総合研究所が実施した『味の地域差に関する調査2024《味嗜好編》』によると、若い世代におけるしょっぱい味、すなわち塩味の人気が急上昇していることが明らかになりました。この調査は全国47都道府県からのデータを元に、地域や年齢による味の好みの違いを探ったものです。特に、20代から30代の女性においては、塩味に対する支持が70%を超えているとのこと。アンケートでは、参加者に好みの味を18項目提示したところ、塩味がますますの人気を誇っています。

調査結果の概要

この調査は、2024年5月31日から6月14日までの間に行われ、20から79歳の男女3,575名を対象にしたオフライン調査です。調査結果の中でも特に注目すべき点をいくつか見ていきましょう。

しょっぱい味(塩味)の増加傾向

調査によると、塩味に対する人気は過去から続く傾向で、特に20代から30代の女性では70%を超える支持が得られました。一方、70代の女性では3割を下回っており、年代差が顕著に表れています。他の代表的な味、である「うまみのある味」と「甘い味」も高い支持を受けていることが分かります。

地元料理の好み

地域別に分析した結果、東北、四国、九州エリアでは自地域の郷土料理への支持が高い傾向が見られました。特に「和風の家庭料理」が約9割を占め、地域の差を超えてこれが一般的な嗜好であることが示されました。北海道では道産料理が好まれる一方、首都圏では多様な料理が楽しまれ、特にフランス料理やイタリア料理の割合が高いことも興味深い点です。

食文化における調味料の利用

天ぷらに関しては、最も使用される調味料は「天つゆ」で、エリアによって差が出ております。特に東北エリアでのしょうゆの利用は低く、関西や四国ではウスターソースが好まれる傾向が際立っています。これらのデータは地域による味の使い方の違いを如実に表しており、食文化の多様性を映し出しています。

男性の料理傾向

興味深いことに、首都圏に住む男性は他の地域の男性に比べ、自分で料理を作る割合が高いことが判明しました。自宅での食事を「ほとんど自分で作る」と回答した割合が2割半に達し、料理を楽しむ傾向が見られます。一方、東海エリアでは「ほとんど家族が作る」という回答が多く、地域により家庭内の食事作りのスタイルにも違いがあることが伺えます。

結論

最新の『味の地域差に関する調査2024《味嗜好編》』は、味の好みの変化や地域別の特色を鮮やかに浮き彫りにしました。特に若い世代の塩味への支持が高まっている現象は、今後の食文化における重要な変化の一つと言えるでしょう。食のトレンドを理解し、地元の料理や味の好みを再確認する良い機会です。詳しいデータや分析については、株式会社日本能率協会の公式サイトで販売されていますので、興味がある方はぜひチェックしてみてください。