日本CTO協会が新たに設立するグローバルWGで企業競争力を強化

日本CTO協会が新設するグローバルWGについて

一般社団法人日本CTO協会は2025年1月7日、企業の競争力強化と技術者育成を目的とした「グローバルワーキンググループ」（グローバルWG）を新設することを発表しました。この新たな取り組みの背景には、日本国内における深刻なITエンジニア不足と、CTOによるグローバルなビジネスの推進が求められる現状があります。

グローバルWG設立の背景

ITエンジニア不足の現状

2024年10月に発表された帝国データバンクの調査によると、情報サービス業種においては70.2%が正社員の人手不足を感じているとの結果が出ています。このことから、開発案件が増加する中で、スキルを持った人材の確保が大きな課題であることが明らかになっています。この傾向は、デジタルトランスフォーメーション（DX）の進行と共にますます顕著になっています。

CTOの役割の重要性

CTOは企業の技術戦略を統括し、技術的な連携を維持することで、製品やサービスの品質の一貫性を担保する重要な役割を果たします。海外展開を行う際には、現地の技術的なニーズを経営戦略に反映させ、適切な意思決定を行うことが求められます。そのため、CTOが主導するグローバル開発組織の設立が企業にとって不可欠であると認識されています。

グローバルWGの活動内容

新設されるグローバルWGでは、以下のような活動を通じて会員企業を支援します。

- グローバル進出企業マップ：日本CTO協会の会員が進出している海外の拠点を視覚化したマップを提供し、参照できるようにします。
- 進出フェーズ定義：各企業の海外進出における検討段階を定義し、それに応じたサポートを行います。
- CTOインタビュー記事：グローバル展開に成功したCTOの経験談を集めた記事を公開し、他の企業の参考になる情報を提供します。
- 相談会の開催：グローバルWGの理事が参加する相談会を開き、CTO同士が悩みを共有し、意見交換できる機会を設けます。
- 進出チェックリスト：海外展開に向けた検討項目をリスト化し、企業がスムーズに準備を行えるようにサポートします。

グローバルWGの役員

グローバルWGの担当理事には、以下の方々が就任しました。

- 三谷隆理事（GMOペイメントゲートウェイ株式会社 CTO）
- 長沢翼理事（株式会社LIFULL CTO）
- 藤倉成太理事（キャディ株式会社 VP of Engineering）

三谷理事のコメント

三谷理事は、「グローバル進出は経営層にとって大きな決断ですが、実際には手探りで進められているのが現状です。しかし、進出手順は多くが共通しており、先に進んだ企業の知見が非常に役立つことなどを共有するニュースがワーキンググループの設立理由です。この活動を通じて日本経済の発展にも寄与したいと考えています」と述べています。

日本CTO協会について

日本CTO協会は、2019年9月に設立され、日本を世界屈指の技術力を持つ国に導くことを目的として活動しています。主な活動内容はDX企業の基準作成、コミュニティ運営、調査・レポートの発表などです。常に進化し続けるCTOたちの知見を集め、日本社会における自己変革を促進していきます。

詳しくは、日本CTO協会の公式ウェブサイトをご覧ください。