QPSとJAXAの共創
2020-02-26 14:07:59
QPS研究所がJAXAとの覚書締結、宇宙ビジネスの新展開へ
QPS研究所とJAXAが結ぶ新たな宇宙ビジネスの挑戦
2020年2月26日、QPS研究所は国立研究開発法人JAXAと「J-SPARC事業コンセプト共創」に関する覚書を締結しました。この合意により、QPS研究所が進める小型SAR衛星「イザナギ」の運用が一層加速し、宇宙ビジネスの新たな道筋が開かれることとなっています。
小型SAR衛星「イザナギ」の打ち上げ
QPS研究所が開発した小型SAR衛星「イザナギ」は、2019年12月11日にインドのサティシュ・ダワン宇宙センターから打ち上げられ、高度約570kmの軌道に投入されました。これにより、QPS研究所が計画する36機の小型SAR衛星コンステレーションによる準リアルタイム観測の実現に向けた重要なステップが踏み出されました。
打ち上げ成功後の同年12月、JAXAの60cm望遠鏡を用いた共同研究契約が締結され、衛星の姿勢や運動状態の確認が進められています。この取り組みは、特にイザナギの運用において非常に重要な役割を果たすものとなっています。
J-SPARCによる宇宙関連事業の創出
今回の覚書締結から、QPS研究所はJAXAの支援を受けながら、準リアルタイムデータ提供サービスの実現を加速させることが期待されています。JAXAが立ち上げた「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」は、宇宙ビジネスを目指す民間企業との共同研究を通じて、新しい宇宙関連事業の創出を目指しています。このプログラムの中で、QPS研究所はデータ提供の効率化、低レイテンシ化、画像圧縮化技術の開発を行い、サービス価値を向上させることを目指します。
画像圧縮化技術の重要性
「イザナギ」から得られる観測データは膨大であり、通常のデータ伝送では時間と電力が多く消費されます。この問題を解決するため、JAXAとの共同開発によるオンボード画像化装置を搭載することで、衛星の軌道上で画像処理を行い、地上局へのデータ伝送を大幅に迅速化することが可能になります。
QPS研究所の展望
QPS研究所の代表、社長の大西俊輔氏は「このプロジェクトが実現に向けて加速していることを非常に嬉しく思います。特に、ユーザーに提供できるサービスの幅が広がることが期待されており、宇宙からのデータを活用できる新たな事業の可能性を示せればと考えています。」とコメントしています。
QPS研究所とは
QPS研究所は2005年に九州大学名誉教授の八坂哲雄氏、桜井晃氏、そして三菱重工業のロケット開発者舩越国弘氏らによって設立され、九州に宇宙産業を根付かせることを目指しています。約20年間の小型衛星開発にかかわる経験を持つ専門家たちが集結し、国内外での衛星開発やスペースデブリへの取り組みに貢献するパイオニア的な存在です。
今後もQPS研究所の動向に目が離せません。宇宙関連事業の進展は、技術革新や社会の発展に大きく寄与することでしょう。
会社情報
- 会社名
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株式会社QPS研究所
- 住所
- 福岡県福岡市中央区天神1-15-35レンゴー福岡天神ビル6階
- 電話番号
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