業界最高水準の熱伝導率を誇るグラファイトシート
グラファイトシートとは
グラファイトシートは、グラファイトを薄く加工した材料であり、特にシートの平面方向で非常に優れた熱伝導率を持ちます。これはグラファイトが炭素の同素体であることに由来しています。主に放熱目的で使われ、特にコンピュータのCPUや電子機器の冷却に幅広く利用されています。最近では、大手カメラメーカーの製品にも採用されるなど、精密機器にとって不可欠な部品となっています。特に温暖化が進行する現代において、放熱部材の重要性はますます高まっています。アウトドアスポーツのイベントなどで精密機器を長時間使用する場合、熱暴走のリスクが増すため、この課題に取り組むことが求められています。
ニチベイパーツのグラファイトシートの特長
ニチベイパーツが提供するグラファイトシートは、ダイヤモンドに次ぐ高い熱伝導率を誇り、アルミの3倍から5倍、銅の2倍から3倍の熱伝導率を有しています。また、最大10層までの積層構造を持ち、屈曲性と柔軟性を兼ね備えているため、様々な用途に対応可能です。
熱伝導率のメカニズム
このグラファイトシートは、ポリイミド素材を高温で炭化させた後にプレスすることで、密度を高めた結果、高い熱伝導率を実現しています。しかし、グラファイトシートの1層あたりが蓄積できる熱容量には限界があり、より多くの熱を放熱するには厚みのあるシートが必要です。一般的に、他の企業は2~3層のシートが限界ですが、ニチベイパーツの製品は10層まで積層可能で、より高い熱伝導率を発揮します。
高精度な加工技術
ニチベイパーツが採用しているパウチオフセット量0.3mmは、高い技術力の証です。このオフセットは圧着時に密着幅として影響し、幅が大きいとシートの有効面積が減少します。例えば、10mm幅のシートで端が0.3mmの密着幅だと、有効幅は9.4mmですが、0.8mmになると有効幅は8.4mmと1mm分の面積が失われます。この小さな差が結果として性能に大きな影響を与えます。
フレキシブルな素材選び
ニチベイパーツでは、人工素材と天然素材のいずれにも対応可能で、多様なニーズに応じた柔軟な技術を提供しています。人工素材は熱伝導率が高く、狭いスペースにも適しています。対して、天然素材は価格が安価なため、コスト削減にも寄与します。
実際の使用例
このグラファイトシートは、スマートフォンやミラーレスカメラ、医療用カメラ、車載カメラ、テレビ、パソコン、OLED(有機EL)といった多様な商品で利用されています。
従来の課題とその克服
従来のグラファイトシートは、曲げると割れるという課題がありました。固いシートは熱伝導率を低下させるため、屈曲性の高いシートを開発する必要がありました。様々な材料メーカーとの連携により、ニチベイパーツは曲げても割れないシートの加工に成功し、今やこのシートなしでは難しいとの声もあります。
未来に向けた取り組み
ニチベイパーツは、過去の実績が評価されており、自動車やカメラ業界に留まらず、半導体設備などさまざまな分野においてニーズが拡大しています。今後も市場の変化を捉え、技術開発に積極的に取り組んでいくことが重要です。
株式会社ニチベイパーツについて
株式会社ニチベイパーツは、1956年に設立されたパーツメーカーで、お客様のニーズに最適な納期・品質・コストで応えることに注力しています。高度な加工技術を駆使し、さまざまな要望に応える体制を整えています。顧客の要求を深く理解し、先見性を持ったソリューションを提供することを目指しています。