福岡県北九州市の中心に位置するアートホテル小倉ニュータガワ。ここには、明治時代からの歴史を持つ美しい日本庭園があります。この庭園は、2025年6月20日に国の登録記念物(名勝地関係)として登録されることが決まりました。
旧豊山閣庭園の歴史
旧豊山閣庭園は、もともと1889年に実業家で衆議院議員の山本貴三郎の自宅として造営されたものです。約2000坪の広大な敷地の中、1,000坪を使用して作られた池泉回遊式の日本庭園は、足立山の美しい借景が取り入れられた造園となっており、地域の文化拠点として茶会や俳句会が開催されるなど多くの人に親しまれてきました。
その後、所有者が実業家の小林徳一郎に移り、「豊山閣」と名付けられました。庭園はその景観の美しさから高く評価され、北九州市内の経済成長の象徴としても知られています。旅館「三笠」、「旅館田川」として時代を経て、今に至ります。特に旅館時代の庭園は「松の名園」として、多くのクロマツが植えられ、地域の人々の憩いの場として機能しました。
国登録記念物への登録の意義
今回の国の登録記念物への登録は、明治時代に北部九州の炭鉱経営者たちが造営した庭園をルーツとしており、歴史的な価値が高く評価されています。近代から現在まで、数世代に渡って受け継がれ、美しい池泉回遊式庭園の姿を留め続けていることは、我が国の造園文化の発展に寄与している重要な事例です。
アートホテル小倉ニュータガワでは、すでに登録有形文化財に認定された数寄屋建築3棟(「菅生」「企救」「玄海」)とともに、庭園の保全と活用に努めていく計画です。一般のお客様への公開も続けられるため、美しい庭園を実際に体験することが可能です。
アートホテル小倉ニュータガワの魅力
このホテルは、明治時代に建てられた旧炭鉱王の迎賓館を基にしており、歴史と芸術の融合が魅力です。約700坪の広さを誇る日本庭園は、四季折々の風景が楽しめる絶好のスポット。宿泊施設としても、モダンな洋室から落ち着いた和室まで多彩な客室が整っており、ビジネスや観光に適しています。
さらに、地元の食材をふんだんに使った料理を提供するレストランがあり、特に庭園を望む朝食ビュッフェは多くの宿泊者に喜ばれています。また、ビジネス用の会議室や宴会場、結婚式場としても利用できるため、様々なニーズに応えています。
まとめ
アートホテル小倉ニュータガワの庭園は、地域文化の拠点として長年にわたり、地域の人々に愛されてきた場所です。国登録記念物に指定されることにより、その美しさと歴史がさらに広く認知されることが期待されています。訪れる人々にとって、時代を超えた美しい景色を楽しむことができる貴重な場所として、庭園の魅力は今後も続いていくでしょう。