衛星データで温室効果ガス排出量を可視化 ― 三菱電機ら4社のパートナーシップ
地球温暖化対策の重要性が増す中、温室効果ガス排出量の正確な把握と削減は喫緊の課題となっています。この課題解決に向けて、三菱電機株式会社、株式会社三菱UFJ銀行、衛星データサービス企画株式会社(SDS)、GHGSat Inc.(GHGSat社)の4社は、衛星データを用いた温室効果ガス排出量可視化サービスに関するパートナーシップ契約を締結しました。
画期的な排出量可視化サービス
本パートナーシップでは、各社の強みを活かし、革新的なサービスの提供を目指します。三菱電機は、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」(GOSAT)シリーズの開発に携わってきた豊富な経験と、開発中のGOSAT-GW衛星による高精度な観測データを提供します。GOSAT-GWは従来の衛星よりも広い範囲を隙間なく観測できるため、より詳細な排出量データの取得が期待されます。
GHGSat社は、高解像度の衛星コンステレーションによるピンポイント観測データを提供。これにより、特定の施設からの排出量を正確に特定することが可能になります。SDSは、衛星データの処理やプラットフォーム構築に関する専門性を提供し、データの活用を促進します。三菱UFJ銀行は、金融機関としての視点から、サステナビリティ実現に向けた助言や、多様なステークホルダーとの連携を促進します。
サービスの特徴
このサービスは、以下の特徴を持っています。
高精度なデータ: GOSATシリーズとGHGSat社のデータを融合することで、広域かつ高精度の排出量データを提供します。
リアルタイム情報提供: 迅速なデータ処理により、ユーザーはリアルタイムで排出量情報を把握できます。
異常検知機能: エネルギーパイプラインのガス漏れなど、異常を早期に検知し、事故防止に貢献します。
設備導入不要: ユーザーは既存設備を導入することなく、サービスを利用できます。
カーボンニュートラル社会への貢献
4社は、本サービスを通じて、企業や自治体の温室効果ガス削減活動を支援し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献することを目指しています。サービスの提供により、企業の社会的責任(CSR)活動や持続可能な開発目標(SDGs)への取り組み強化にも繋がることが期待されます。また、産業界全体の意識改革を促進し、環境負荷の低減に大きく貢献すると考えられます。
各社の役割
企業名 | 担当内容 |
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三菱電機 | GOSATシリーズ衛星データの活用、高付加価値な可視化サービスの創出 |
三菱UFJ銀行 | サステナビリティ実現に向けた助言、ステークホルダーとの連携 |
SDS | 衛星データプラットフォーム構築、実証実験の推進 |
GHGSat社 | 高解像度衛星画像による施設単位での排出量観測、観測情報の提供(1日1回) |
三菱電機の宇宙事業
三菱電機は、長年にわたり日本の宇宙開発をリードしてきた企業です。JAXAとの共同開発などを通じて培ってきた技術力と経験を活かし、本サービスを通じて持続可能な社会の実現に貢献していきます。
まとめ
4社による連携は、温室効果ガス排出量可視化サービスという新たなソリューションを提供し、企業や自治体の脱炭素化に向けた取り組みを加速させる可能性を秘めています。今後、サービスの具体的な内容や提供時期が発表されることが期待されます。