加藤財務大臣が語る令和8年度予算編成の考え方と今後の展望
令和7年8月8日、加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣は閣議後の記者会見で、令和8年度予算の概算要求基準について説明しました。まず、今回の基準においては、歳出全般にわたり施策の優先順位を見直し、重要な政策に資源を重点配分していく方針が示されました。これは、国内外の経済情勢や物価上昇を反映し、賃金や調達価格の上昇に見合う適切な予算要求を行うことを目的としています。
加藤大臣は、概算要求の進め方についても言及しました。各省こそが8月末を目処に施策の優先順位を定め、具体的な要求を行う必要があります。財務省も、予算編成過程において各省との議論を深め、歳出改革を行いながら経済再生と財政健全化の両立を図っていく方針を強調しました。
質疑応答の中では、今回の概算要求基準が財政規律に与える影響が懸念される中、カトウ大臣は「重要政策の推進のための要望や、必要に応じた事項要求も可能になる」と述べ、緩和の余地を持たせています。これにより、昨年までの削減5%ルールが緩和されることで、各省庁の要求が強化されると予想されています。
また、ガソリンの暫定税率廃止に関する議論も行われ、財源確保の観点から与野党間で整合が取れることが求められていることも明らかにされました。加藤大臣は、与野党協議の中で進行中の課題についても注目し、「代わりの恒久財源を確保する方法を模索しなければならない」と警鐘を鳴らす発言もありました。
さらに、アメリカからの関税が日本経済に与える影響についても言及し、内閣府の試算が実質GDPを0.3〜0.4%押し下げる可能性がある旨を説明しました。特に自動車業界への影響については、企業業績や賃上げの観点から慎重に分析し、必要に応じて中小企業の資金繰り支援を行っていくと述べました。
今回の記者会見では、令和8年度の予算編成に向けた道筋が具体的に示され、加藤大臣は「物価や賃金動向を踏まえ、着実に重要課題に取り組んでいく必要がある」とまとめました。これは、日本の経済に関わる多くの課題を抱えた中で、果たしてどのようにして持続可能な成長を実現していくのか、という重要なテーマが表れています。今後の動向に注目が集まります。