福岡県漁連、GPS対応「ココヘリマリン」で漁業者の安全対策を強化
福岡県漁業協同組合連合会(以下、福岡県漁連)は、漁業者向けに新たな安全管理体制としてGPS機能を搭載した水難捜索サービス「ココヘリマリン」を導入しました。これは、山や海での行方不明者を迅速に捜索する専用のサービスで、「ココヘリ」を運営するAUTHENTIC JAPAN株式会社が提供しています。
背景と導入経緯
この取り組みは、2019年に福岡県漁連が海上保安庁第七管区海上保安本部と共に締結した救助協定に基づいており、当初から約100名の漁業者がこのサービスを利用してきました。しかし、これまでの旧モデルは専用電波による位置特定に限られていました。
そこで、今回導入された新モデルは、GPSを採用し、より精度の高い位置情報をリアルタイムで提供することが可能になりました。これにより、漁業者本人やその家族、仲間はスマートフォンやPCを通じて、自身の位置情報を簡単に確認できるようになります。
新モデルの主な特徴
1.
GPSによる位置表示
新しい「ココヘリマリン」では、GPS搭載により2つのネットワークを活用した位置発信が実現しました。これにより、漁業者やその関係者はいつでも位置情報を把握できます。
2.
漁船位置の一元管理
各漁業協同組合ごとに所属する漁船の位置情報を一括で管理できる仕組みが整備され、平常時の安全管理はもちろん、災害時にも迅速な状況把握が可能となりました。
3.
公的機関との連携強化
導入に伴い、海上保安本部とのシステム連携も実施。これにより、捜索時の連携フローが確認され、更なる効率の良い救助が期待されています。
今後の展望
福岡県漁連では、既に導入を進めているいくつかの漁業協同組合を皮切りに、今後の県内各地の漁業者にもこのサービスを展開する計画です。AUTHENTIC JAPANとしても、全国の漁連や漁協に向けて、この安全対策に関するパッケージを広めていく意向を示しています。
漁船事故に対する取り組み
海上保安庁のデータによると、2022年の船舶事故のうち約25%は漁船によるもので、事故の多くが死亡や行方不明を伴っているという現状があります。こうした悲劇的な状況に対し、安全な漁業を実現するために、現場での位置情報の発信機能の導入拡大が強く求められています。
まとめ
福岡県漁連が導入した「ココヘリマリン」は、漁業者の安全を守る重要な一歩です。最新のGPS技術を活用し、迅速かつ確実な位置特定を可能にするこのサービスは、漁業者自身やその家族にとって安心感を与え、海上での安全管理の新たなモデルとなるでしょう。