男性更年期障害の実態:意識調査から見えた課題と対策
2024年8月30日から9月3日にかけて実施された意識調査が、働く男性1,000名を対象に行われました。この調査は世界メノポーズデーに合わせて公開され、男性更年期障害の認知とその影響について詳細なデータを提供しています。
男性更年期障害を感じる者は65%以上
調査によると、男性更年期障害の可能性があると感じている人は実に50%以上、さらには何らかの不調を自覚している人は7割を超えています。毎日症状を感じているという報告もあり、これは深刻な問題です。男性の更年期障害は、主に40歳以降にテストステロンの減少に伴い起こる状態で、肉体的、精神的、性機能にさまざまな影響を及ぼします。
知識の不足と自覚の欠如
男性更年期障害についての認知状況では、58%が「名前は知っているが詳細は不明」と回答。しっかりとした知識が不足していることが浮かび上がっています。症状の自覚に関しては、52.7%が「なんとなく可能性を感じている」とし、自己認識の薄さが問題視されています。一方で、実際に自覚があると認めた人は8.7%のみでした。
日常生活に与える影響
日常生活における不調の影響を調査した結果、「それなりに影響があるが普段通り」に生活できているという意見が代表的でしたが、特に仕事のパフォーマンスには顕著な影響が見られました。調査に答えた男性の平均パフォーマンスは63.3%で、36.7%の低下が確認されました。主な原因は「やる気が起きない」「集中できない」「眠気」が挙げられます。
医療機関の受診は二割以下
症状への対処法に関する質問に対し、49.9%が「我慢している」との回答でした。一方で、医療機関を受診した人は2割未満という結果で、受診しない理由は「辛さではない」「改善できると思わない」が多くを占めています。このような状況から、男性更年期に関する正しい情報提供が求められます。
職場での相談が活発でない現状
また、男性更年期障害について職場で誰かに相談したことがあるかという質問には、84.4%が「ない」と回答。相談の仕方や誰に相談すればよいかわからないとの声も多く、相談窓口の必要性が示されます。
専門家からの見解
千葉大学の田村貴明医師は、男性ホルモンの重要性を強調し、今後の社会において理解が深まることの必要性を述べています。人生の各ステージで必要なホルモンバランスが変化するため、自身の体の声に耳を傾けることが大事です。
今後の取り組み
現在、ある企業は男性従業員に向けた「男性更年期プログラム」を導入し、健康課題に対する認識を深める活動をしています。健康課題の解決に向けた取り組みが急務であると感じられます。日々の生活で症状を感じたり不安を抱えている人は、医療機関での相談をぜひ考えてみてください。