PG-Strom 2.0によるデータベースの高速化
最近、ヘテロDBがGPUを駆使したデータベース改善技術「PG-Strom」のバージョン2.0をリリースしました。この新しいソリューションは、特にデータウェアハウス(DWH)水準の処理能力を1Uや2Uラックサーバで簡単に実現します。PG-Stromは、オープンソースのリレーショナルデータベースPostgreSQL向けに設計された拡張モジュールであり、SQLコマンドに基づいて自動的に生成されるGPUプログラムを用い、特に大量データの集計や解析を短時間で行います。
PG-Stromの核心機能
PG-Stromは、特に注目すべき機能である「SSD-to-GPUダイレクトSQL実行」により、NVMe-SSD上のPostgreSQLデータブロックを直接GPUにロードします。この仕組みにより、データがCPUに届く前にGPUでSQLの処理が可能になり、CPUの負担を大幅に軽減します。従来のI/O中心のワークロードにおいても、集計や全件探索を効率よく実施でき、従来に比べ数百分の一のデータ量で済むため、全体的なパフォーマンスを向上させます。
利便性と互換性に優れた設計
PG-Stromの設計は、PostgreSQLが公式にサポートしている内部APIのみを用いているため、ユーザーには標準的なPostgreSQLの環境が提供されます。このため、特別な設定やチューニングを行うことなく、クエリの特性に応じてオプティマイザが自動でGPUを使用します。また、業務系システムで扱われるトランザクショナルなデータ形式に対しても最適化されているため、データ形式を変更する必要がありません。
PG-Strom アプライアンスモデルの紹介
新たに発売されたPG-Strom関連のアプライアンス製品は、最適なハードウェアと必要なソフトウェアが予め設定されており、動作検証が行われています。これにより、ユーザーは迅速にPG-Stromの恩恵を享受できるようになります。特に、以下のモデルが注目されています:
- CPU: Intel Xeon Gold 6126T (12C, 2.6GHz)
- RAM: DDR4-2666 32GB x 6 (合計192GB)
- GPU: NVIDIA TESLA P40 (3840C, 24GB)
- SSD: Intel SSD DC P4600 (2.0TB)
- HDD: 2.0TB (SATA; 7.2krpm) x 6
- その他: 10Gb Ethernet x2ポート
このアプライアンスモデルは、データウェアハウスやデータマート、バッチ・レポーティング処理、曖昧検知システムなど、さまざまな用途に利用可能です。
期待される業界への影響
PG-Stromの登場により、データベース市場は更なる進化を遂げると期待されています。特に、データ分析や機械学習の分野において、新たな活用方法が広がることが見込まれています。エヌビディアの日本代表である大崎真孝氏も、この革新がデータベースにとって重要なステップとなると発言しています。この新技術により、業務の効率性向上やDB管理作業の省力化が期待されています。
連絡先
PG-Stromに関する詳細情報は、ヘテロDBの公式サイトまたは下記の連絡先にてお問い合わせください:
このように、PG-Stromはデータベースの理解を深め、業界に新しい風を吹き込む存在となるでしょう。この機会を逃さず、高速化されたデータ解析の世界を体験してみてください。