エヌティ・ソリューションズが新たなERP導入支援を開始
株式会社エヌティ・ソリューションズ(以下、NTS)は、生成AIを駆使したERP導入支援ツール『AutoConv-Navi』を開発し、2024年9月から企業向けのコンサルティングサービスを提供することを発表しました。このサービスは、企業が自らの力でERP導入を実現することをサポートすべく設計されています。
背景
NTSはこれまで、日本マイクロソフトのビジネスアプリケーション製品の導入プロジェクト支援を行ってきました。その中で、ERP市場の深刻な人財不足という問題を痛感してきました。近年導入が進んでいる「Fit to Standard」という考え方にも関わらず、依然として顧客の要望に対して、ベンダーがアドオンやカスタマイズを重視してしまいがちです。その結果、過剰なERPのコンサルタントやエンジニアが必要となり、顧客企業は十分な人材を確保できないという悪循環が続いています。
解決策としての生成AI
そのため、NTSは生成AIの活用が必要だと考え、AIソリューション推進チームを設立。『AutoConv-Navi』を開発し、数々のプロジェクトで効果を検証してきました。例えば、設計工程においては、工数を55%削減することに成功しています。これは、企業が短期間で効果を実感できる大きな成果です。
『AutoConv-Navi』の特長
『AutoConv-Navi』は、ERP導入の各工程に対応する使いやすいテンプレートを多数用意しています。利用者はプロジェクトの進行状況に応じて、実施したい工程を選択し、その作業を開始することができます。特に、要件定義書制作においては、AIが必要な情報を的確に質問し、対話形式で情報を収集。最終的には、必要なドキュメントを自動生成するため、プロジェクトに参加するスキルが不十分なコンサルタントやエンジニアでも戦力として活躍可能です。
コンサルティングサービス内容
NTSが提供するサービスの主な内容は以下の通りです:
- - ERP導入ナビゲーション: 導入プロセスを明確に案内し、計画から実行までをサポートします。
- - 要件定義のアドバイス: ユーザー企業が要望を実現するためのアドバイスを行います。
- - 機能検証: 必要な文書及びプログラムソースを作成し、要望が実現可能か検証します。
- - 品質チェック: AI技術を用いて、人の目では発見しにくいミスや矛盾を検出します。
対象となるERP製品は、Microsoft Dynamics 365 FinanceとMicrosoft Dynamics 365 Supply Chain Managementです。
今後の展望
2024年9月より提供予定のこのサービスは、最終的にはユーザー企業が独自に『AutoConv-Navi』を活用できるSaaSモデルへの展開を目指しています。NTSのERPソリューション事業部長である南雲暢之氏は、「私たちは企業が自らの力でERPを導入するための強力なパートナーでありたい」と述べており、内製化を志向する企業に新たな価値を提供することを約束しています。
さらに、NTSは年間1000名のERP人材を育成することを目標にし、自社が提供する教育コンテンツにこのAIツールの成果を反映していく予定です。教育プラットフォーム『DLP Online』を通じて、受講者はMicrosoft Dynamicsの基本技術を短期間で習得することができます。
まとめ
エヌティ・ソリューションズの『AutoConv-Navi』が、今後のERP導入における大きな変革をもたらすことが期待されます。企業は自らの力で成果を出せる可能性が広がります。これは単に技術の進化だけではなく、人材の育成にも寄与する取り組みと言えるでしょう。