栃木市、ペットボトルリサイクルの新たな取り組みを発表
栃木市は、2024年10月31日、株式会社ミツカン、協栄産業株式会社、ジャパンテック株式会社の4者と「資源循環型社会の実現に向けたペットボトルの水平リサイクルに関する協定書」を締結しました。この協定により、使用済みペットボトルをボトルtoボトル方式でリサイクルし、再利用を促進する方針が打ち出されています。
背景にあるリサイクルの重要性
現代社会では、環境問題に対する意識が高まり、プラスチック等の資源循環が求められています。日本における使用済みペットボトルのリサイクル率は86.9%と高い水準にありますが、その大半は他の用途に転用されることが多い現状があります。このため、焼却処分や短期的なリサイクルが避けられず、資源としての持続可能性が脅かされています。そこで、ペットボトルからペットボトルへと循環するボトルtoボトルリサイクルの仕組みが注目されています。この方式では、新たな化石燃料を必要とせず、CO2排出を約60%削減する効果があります。
具体的な取り組み内容
本協定に基づいて、栃木市で回収された使用済みペットボトルは、まずジャパンテックで選別・粉砕され、次に協栄産業でリサイクルPET樹脂に加工されます。これによりPET樹脂が原料となり、新たにペットボトルが形成され、ミツカンの製品に使用されることになります。また、ミツカンはこのリサイクル素材を用いて家庭用や業務用の商品を展開し、持続可能な社会の実現を目指します。
栃木市長からの期待の声
栃木市長の大川秀子氏は、「本市の基本方針「豊かな自然と共生する栃木市」を掲げ、資源循環や環境負荷の低減に取り組んでいます。この協定を通じて、ペットボトルリサイクルへの意識向上やごみの減量に繋がることを期待しています。」と述べました。
ミツカンの持続可能なビジョン
ミツカンの執行役員である西祐二氏も、栃木市とのパートナーシップを評価し、「ミツカンは栃木市に1983年から工場を設け、地域に根差した事業展開をしてきました。今回の取り組みを通じて、地域との関係を一層深めていきたい」と語っています。
地域の未来に向けた協力
協栄産業の古澤氏は、協力の意義を強調し「使用済みペットボトルを都市からの貴重な資源と捉え、次世代に引き継ぐために取り組んでいく」と述べました。このように、地域企業と自治体が連携することで、新たな循環型社会の形成を目指す意義が深まっています。
まとめ
この協定の締結は、栃木市における資源循環型社会の構築に向けた重要な一歩です。ミツカンや協栄産業、ジャパンテックなどの企業が協働することで、持続可能な未来を切り拓くことが期待されます。これにより、地域全体が環境問題に対する意識を高め、責任ある行動を促すきっかけとなることを願います。