新作ノンフィクション『死の虫ツツガムシ病との闘い』が話題に
株式会社中央公論新社が2024年12月23日に発売予定の中公文庫『死の虫ツツガムシ病との闘い』は、著者小林照幸による注目の作品です。彼はこれまでにも『死の貝日本住血吸虫症との闘い』という話題作を発表しており、今回の作品も同様に地方病に焦点を当てた内容になっています。
風土病の謎
『死の虫』は、新潟、秋田、山形の日本海側の米どころを舞台に、毎年夏に死者が続出するツツガムシ病の謎に迫ります。この病気によって多くの人々が犠牲となった背景には、様々な要因が絡んでいます。著者は、発病のエリアを限定し、その真相を追求します。
医学者たちの挑戦
本書では、戦前の新潟、秋田、山形における医学者たち、特に北里柴三郎らがこの病気の克服に挑んだ様子が描かれています。彼らがどのようにして病原体の解明に取り組んだのか、熾烈な競争や研究室内での危険な感染、さらには学名命名論争などのエピソードも取り上げています。
研究と闘いの過程
小林氏は、ツツガムシ病克服の歴史は、日本医学の大きな金字塔であると述べています。研究者たちは、自らの命や名誉をかけて病原体の特定に挑んだ成果が、今日の医学の発展にどのように寄与したのかを詳細に掘り下げます。
増補内容に注目
文庫化にあたって、新型コロナウイルスとの共通点などの最新情報も増補され、より一層深みのある内容に仕上がっています。この新たな知見は、過去の風土病と現代の感染症との関連性についての理解を深めるものとなっています。
書誌情報
この作品の書誌情報としては、書名は『死の虫ツツガムシ病との闘い』で、著者は小林照幸です。文庫判でISBNは978-4-12-207589-4、発売日は2024年12月23日、価格は990円(税込)となっています。
著者について
小林照幸は1968年に長野県で生まれ、ノンフィクション作家としての道を歩んできました。彼は医学や科学の分野に深い関心を持ち、多くの著書を発表しています。彼の作品は特に、難解なテーマをわかりやすく、かつ魅力的に描くことで知られ、多くの読者に支持されています。
この新作『死の虫ツツガムシ病との闘い』は、ただの医学書ではなく、歴史や人間ドラマを交えた一冊であり、社会に対する鋭い視点と考察で読者を魅了することでしょう。ぜひ、発売日を楽しみに待ちましょう。