長野県で始まる『TOCKLE』の実証実験
長野県長野市と佐久市で、電動モビリティのシェアリングサービス『TOCKLE』の実証実験が、トヨタレンタリース長野とあいおいニッセイ同和損害保険と共同で開始されました。この新しいサービスは、現代の地方交通の空白を埋めることを目的に、安全にこだわったシステムを導入しています。
安全運行のためのジオフェンシング機能
BRJ株式会社は、あいおいニッセイ同和損保とともに、ジオフェンシング機能を利用して、電動モビリティが安全に運行できるよう努めています。この技術では、GPSによって特定の区域への侵入を防止し、危険エリアへのアクセスを自動的に制御します。具体的には、急ブレーキの発生頻度を分析し、特定の危険エリアをノーライドゾーンとして設定し、モビリティがその区域に侵入した際には運行が停止されます。
実施の期間は2025年10月1日から12月31日までで、運用時間は日中の8時から17時までと設定されています。各店舗には、二輪と三輪を合わせた計10台が配備され、長野市と佐久市の利用者に向けて貸出が行われます。料金は300円で30分の利用が可能です。
地域の足としての理念と挑戦
近年、地方では公共交通機関の運営が困難になり、運転手不足や赤字経営が問題視されています。『TOCKLE』は、これらの課題に対応する新しい移動手段として提案されており、都市と比較して車両の運行が比較的安定している地方での展開を重視しています。地域住民のニーズに応えつつ、安心・安全な交通環境を提供することを目指しています。
利用者の安全を最優先に
『TOCKLE』の最大の特徴の一つは、夜間の運行を全面的に禁止している点です。一般的な電動モビリティ業界は夜間稼働を求める傾向が見られますが、BRJは安全性を最も重視し、飲酒運転の危険性を避けるためにこの方針を採っています。昼間の運行に集中することで、利用者の安全を第一に考えています。
地域の課題解決を目指すBRJ株式会社
BRJ株式会社は、東京都港区に本社を置き、次世代モビリティのシェアリングや地域交通ソリューション事業を展開しています。代表取締役社長の宮内秀明氏は、トラックドライバーとしての経験から交通安全への意識を高め、『TOCKLE』の事業展開に活かしています。『人と街に感謝される未来の公共交通を創る』ことを理念に、地域に密着した安全な交通サービスを提供し続けていく意向です。
今後、長野県内で行われる実証実験を通じて、地域の利用者がどのようにこの新しい交通手段を受け入れ、活用していくのかが注目されます。