AI米検査プロジェクト
2020-12-07 09:50:01
AI技術が変える日本の米の検査方法 - RiceTagプロジェクト成功の歩み
AI技術が変える日本の米の検査方法
日本の食文化の中で、米は長年にわたり主食として重要な役割を果たしてきました。しかし、近年は少子高齢化や若者の米離れの進行により、米産業には様々な課題が浮かび上がっています。そんな中、米の銘柄判定をAI技術を使って行う「RiceTagプロジェクト」が注目を浴びています。実際に行われた実証実験の成果を、今記事では詳しく紹介します。
RiceTagプロジェクトの立ち上げ
「RiceTagプロジェクト」は、株式会社KAWACHO RICEと株式会社ヘプタゴンが協力して、米の銘柄判定をAIで行うために始まりました。従来の方法では、資格を有する検査員が目視で銘柄を評価していますが、これには時間がかかる上、判定ミスのリスクも存在します。そこで、AIを活用し、米粒を撮影するだけで銘柄を素早く判定できるシステムの開発が決定したのです。
プロジェクトのスタートは2019年の夏。開発には約1年を要し、AIモデルの改良と実証実験が行われました。実験では青森県と秋田県の計8銘柄のお米を使用し、無作為に抽出した米粒をアプリで撮影。検査員と同等以上の正解率を記録しました。
AIによる検査の変革
今回の実証実験の成功に伴い、AIを使用した米の銘柄判定システムが具体的な成果を挙げました。このアプリでは、スマートフォンを用いてスピーディに検査ができ、その結果、検査員の負担を大幅に軽減しました。このように、AI技術によって流通過程での銘柄判定がより正確かつ迅速に行えるようになります。
KAWACHO RICEの川村社長は、このプロジェクトの開始に至るまでの背景を語ります。「米の商習慣や流通システムを見直す必要性を感じていました。AIを使って銘柄判定ができるというアイデアは、その中から生まれました。」と述べています。これは、目視による判定に依存しない新たなアプローチとして、業界全体を革新する可能性を秘めています。
ヘプタゴンとの共同開発
また、開発を手掛けたヘプタゴンの代表取締役、立花氏は「当初は精度の向上に課題がありましたが、検査員の意見を取り入れたことで、モデルの精度が向上しました」と振り返る。AIのプラットフォームには、Amazon SageMakerが採用され、迅速なフィードバックが可能とされています。
未来の展望
今後はより多くの銘柄の判定へとシステムを進化させ、消費者に安全で安心なお米を届可能にすることを目指しています。川村社長は「関係各社との協力を通じて、米のブランド価値を保証する未来を築いていきたい」と語ります。このように、AI技術の導入により、米産業が新たな局面を迎えようとしています。
この成功は、地域経済にも大きな影響を及ぼすでしょう。地元経済の活性化、農産物の品質向上など、AI技術は今後の農業や流通の在り方を変えていく可能性を秘めています。米業界の未来を支える「RiceTagプロジェクト」に引き続き期待が寄せられます。
会社情報
- 会社名
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株式会社ヘプタゴン
- 住所
- 青森県三沢市富崎2−4262
- 電話番号
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