インドネシア国営バス会社とのMOU締結
株式会社ウィルオブ・ワークが、インドネシア・ジャカルタ特別州政府傘下の国営バス会社である「トランスジャカルタ」および人材派遣企業「PTビナワン」との間で、ドライバー向けの育成プログラムに関する基本合意書(MOU)を締結しました。この取り組みは、バスドライバーの人手不足を解消するため、インドネシアのバス運転手を日本に派遣し、教育を行う新たな試みです。これにより、日本における公共交通の安全性を維持しながら、持続可能な人材確保を目指します。
背景と必要性
日本国内ではバス運転手の人材不足が深刻な問題とされています。国土交通省の報告によると、2021年の時点でバス運転手は約11.6万人いましたが、2030年にはその数が約9.3万人へと減少すると予測されており、約3.6万人の人材が不足する見込みです。また、平均年齢が約55歳であるため、高齢化も進んでおり、求人倍率も全体平均を超えています。
特定技能制度では自動車運送業分野が追加されましたが、求められる日本語能力や免許取得、さらに安全運転技術の習得は非常に難しく、実際に受け入れられる外国人ドライバーの数は限られています。
一方、インドネシアも右ハンドル・左側通行という交通環境にあり、成長市場として期待されています。トランスジャカルタは都市型BRT(バス高速輸送システム)の運営を行い、独自の教育アカデミーを設立しているため、彼らとの連携が有効と考えられました。
取り組みの内容
このMOUの取り組みは主に3つの項目に分けられます。そのひとつは、現役のバス運転手、トランスジャカルタ・アカデミーの学生、新規採用の合格者を対象にした人材育成プログラムです。これにより、実務経験を有する運転手を日本へ派遣することが可能になります。
次に、トランスジャカルタ・アカデミー内では、日本語教育プログラムが開発されており、2026年2月から集中した日本語教育が開始される予定です。このプログラムでは、日本語能力N3の習得を目指し、約9~12か月で来日を目指す計画です。
最後に、嬉しい点として、独占契約が締結されており、日本国内のバス運営企業とのマッチングや生活支援、行政手続き支援をワンストップで提供する体制が整っています。
各社のコメント
この取り組みに関して、トランスジャカルタのディレクターであるMayangsari Dian氏は、「バス運転手の研修を通じて、インドネシアと日本の関係を深め、運転手に実質的な利益を提供することが目的である」と述べています。さらに、PTビナワンのSaid Alwaini氏も「日本の職場環境に適応できるバス運転手を育成することをコミットする」と強調しました。
今後の展望
このプロジェクトは短期的な人員補填だけでなく、地域の公共交通インフラを持続可能にするための新しい選択肢を提供します。まずは少数から段階的にドライバーの派遣を開始し、教育プログラムの検証を行いながら拡大していく予定です。中長期的には、年間数百名規模の体制を確立し、運転手不足が特に深刻な地域にも対応します。安定的な担い手を確保することで、地域の交通インフラが永続的に維持されることを目指しています。
会社情報
ウィルオブ・ワークは、多様な業種に特化した人材サービスを提供しており、「人材派遣」「業務請負」「人材紹介」などを展開しています。未来に向けて、すべての人に働く機会を提供し、多様な働き方を推進することを企業ビジョンとしています。