2024年度金融業界のカスタマーサポートNPS調査結果を発表
NTTコムオンラインが実施した2024年度のNPSベンチマーク調査により、金融業界のカスタマーサポートの動向が明らかになりました。この調査では、生命保険、自動車保険、銀行、クレジットカードといった金融業界の4つの領域が対象にされ、顧客のサポート体験がどのように評価されているかが検証されました。
1. NPSランキングの結果
調査から得られた結果では、各分野において最も高いNPSを獲得した企業が選ばれました。生命保険部門ではプルデンシャル生命が最優秀、次いで自動車保険部門ではソニー損保、銀行部門ではPayPay銀行、最後にクレジットカード部門ではアメリカン・エキスプレスと、それぞれ名を連ねました。
2. ロイヤルティを生み出す要因
調査の分析によれば、金融業界カスタマーサポートのNPSを形成する要因として、「問題解決力や提案力」「説明のわかりやすさ」「回答精度の高さ」が挙げられています。特に、回答までのスピードや、適切な担当者への回し方、さらに親身な対応が求められることが明らかになりました。
一方で、進捗の共有や期待を超える対応、問い合わせ後のフォローアップにおいては、改善の余地があるとの結果も見受けられました。
3. 短時間での解決がカギ
カスタマーサポートへの問い合わせにおいて、77.9%のユーザーが短期間で問題が解決したと回答しており、52.5%が10分以内での解決を実感しています。このスピード感が高いNPSにつながっているようです。
4. 若年層の問い合わせ傾向
調査によると、若年層はノンボイスによる問い合わせ、つまりメールやチャットを利用する傾向が強いことがわかりました。コールセンターの利用率は年代によって差があり、30代以下では特にノンボイスが好まれていることが確認されています。
さらに、今後利用したい問い合わせ手段の選択肢でもノンボイスの選択率が大きく上昇しており、非音声チャネルへの期待が高まっています。
5. 担当者との連携がロイヤルティに寄与
特定の担当者がいる場合、カスタマーサポートとの連携が良好であると感じる利用者のNPSは高くなっています。連携がしっかりと取れれば、顧客満足度が向上することが示されています。
6. 推奨度と利用意向の関係
顧客の推奨度が高いほど、今後の継続利用意向も高まることが調査から確認されました。推奨度が9~10の回答者は、高い継続利用意向を示している一方、低い推奨度の回答者は継続利用意向が低くなる傾向にあります。
まとめ
これらの調査結果から、金融業界におけるカスタマーサポートの質向上に向けた具体的なアプローチが見えてきました。特に、短時間での解決や、担当者との良好な連携が顧客ロイヤルティを高める鍵であり、将来的なサービス改善の余地について考えることができる重要なデータとして活用されるでしょう。