マイクロン、次世代AIプラットフォームに向けたHBM4の出荷開始
マイクロン・テクノロジー社(Micron Technology, Inc.)は、2025年6月10日、米国アイダホ州ボイシにて、新型のHBM4メモリのサンプル出荷を開始したと発表しました。この新たな高性能メモリは、データセンターにおけるAIの学習や推論業務において、ますます重要な役割を果たすことが期待されています。
次世代へのステップ
マイクロンのHBM4は、メモリ性能と電力効率でのリーダーシップを一層強固なものとし、AIアプリケーションに特化したデザインが施されています。このメモリは、12層の積層された構造において36GBを誇り、2048ビットのインターフェースを持ち、毎秒2TBを超える帯域幅を実現しています。この性能向上は、前世代のHBM3E製品と比較して60%以上の進化を遂げています。
圧倒的な性能と効率
HBM4の特筆すべき特徴の一つは、高速通信と高スループットを連結する能力です。これは、特に大規模言語モデル(LLM)やChain-of-Thoughtなどの高度なAIシステムでの推論性能を大いに高めています。マイクロンは、この新技術を用いることで、AIアクセラレーターが迅速かつ効果的に機能することを目指しています。
さらに、前世代に比べて20%以上の電力効率向上を実現したことも注目ポイントです。これにより、最小限の電力で最大スループットを達成することが可能になり、データセンター全体の電力効率が向上する見込みです。
HBM4によるイノベーション
生成AIの活用は、業界を問わず日々広がっています。医療、金融、輸送など多種多様な分野におけるHBM4の導入は、イノベーションを加速させるための強力な基盤技術となるでしょう。マイクロンのシニアバイスプレジデントであるラジ・ナラシンハン(Raj Narasimhan)氏は、「私たちのHBM4は、性能、高い帯域幅、電力効率を兼ね備えており、当社メモリ技術のリーダーシップを象徴しています。HBM3Eでの成功を基盤に、今後のAI向けメモリおよびストレージソリューションの提供を引き続き強化していきます。」と述べています。
未来に向けた計画
このような技術革新を受けて、マイクロンは2026年にHBM4の量産を開始する計画です。この取り組みは、顧客が進める次世代AIプラットフォームのニーズに応え、シームレスな統合と生産能力の向上を目指しています。
結論
マイクロンは約50年間にわたり、メモリやストレージのイノベーションを推進してきました。今後もデータセンターからエッジに至るまで、AI加速を促進しながら、信頼できるパートナーとして顧客の厳しい要件に応えられる姿勢を維持します。新型HBM4の登場は、AI革命におけるマイクロンの役割を一層強化し、各分野での技術革新を加速させるでしょう。