新造LNG二元燃料大型原油タンカー「ENERGIA VIKING」の命名式
2023年7月29日、株式会社商船三井のグループ企業、MOL ENERGIA PTE. LTD.は、ノルウェーのエネルギー大手エクイノール社向けに建造した新造型大型原油タンカー「ENERGIA VIKING」の命名式を開催しました。式典は中国の大連にある大連中遠海運川崎船舶工程有限公司で行われ、参加者にはエクイノール社のSenior Vice Presidentであるアン マイ ハトレム氏や商船三井社長の橋本剛氏、MOL ENERGIAのマネージングダイレクターである小倉美樹氏が出席しました。
本船は、商船三井グループとして初めてLNG二元燃料を搭載した大規模なVLCC(Very Large Crude Carrier)であり、環境への配慮がなされています。搭載されるLNG燃料タンクは10,000m³を超え、長距離輸送が可能な仕様となっていることが特徴です。また、載貨重量トン数は約309,000トン、全長約339.50m、全幅約60.0mで、竣工予定は2025年末を見込んでいます。
働きやすさを考慮した設計
「ENERGIA VIKING」では、乗組員の働きやすさを重視し、船内には「IKOI」という憩いの場が設けられています。この「IKOI」は、乗組員がリラックスできる空間として機能し、職場と居住空間の間にある「第三の場所」として設計されています。VLCCにおける「IKOI」の導入は商船三井にとって初めての試みであり、乗組員の精神的な健康にも配慮されています。
環境への取り組み
商船三井は「商船三井グループ環境ビジョン2.2」を策定し、2050年までにネットゼロ・エミッションを実現することを目標としています。LNG燃料は従来の重油に比べて約25~30%の温室効果ガス(GHG)排出を削減できるため、持続可能な海運業界の実現に向けて重要な役割を果たします。
当社は2030年までにLNGやメタノール燃料を搭載した船舶90隻を投入する計画を立てており、「ENERGIA VIKING」を含む約40隻のLNG燃料船を整備しています。2025年からは6隻のVLCCが順次竣工予定で、そのうち3隻はエクイノール社との用船契約に投入される予定です。
商船三井は、エクイノール社とのパートナーシップを深化させながら、LNG燃料の普及を推進し、環境負荷を減少させるための取り組みを強化していく考えです。今回の命名式は、新しい時代の海運業界に向けた第一歩として注目されています。