広島ベンチャーの新薬
2022-05-31 16:05:13

広島のベンチャー企業が新たに8億5000万円を調達 - がん治療薬の開発に期待

広島の新興企業ががん治療に挑む



株式会社PURMX Therapeutics(パームエックス・セラピューティックス)は、2022年5月31日に第三者割当増資を実施し、総額約8億5000万円を調達したことを発表しました。この資金調達は、同社のリードパイプラインである天然型マイクロRNAを用いた核酸医薬、MIRX002の研究開発を加速させるためのものです。

資金提供の背景



PURMX Therapeuticsは、広島大学大学院の田原栄俊教授を代表取締役とし、革新的ながん治療薬の開発に取り組んでいます。また、今回の増資には、UTEC5号投資事業有限責任組合や三菱UFJライフサイエンス3号投資事業有限責任組合など、複数の投資事業組合が関与しています。特に広島大学が提供する独自のスクリーニングプラットフォームが、強力な抗腫瘍効果を引き出す要素となっています。

MIRX002の特徴と臨床試験



MIRX002は、ヒトの体内で生成されるマイクロRNAを利用した核酸医薬で、副作用が少ない抗癌剤としての可能性が評判です。現在、悪性胸膜中皮腫を対象にした第Ⅰ相臨床試験が広島大学で進行中です。この臨床試験は、日本においてマイクロRNAをモダリティとするファーストインヒューマン医師主導治験の初めての事例となります。

実験結果によると、MIRX002は腫瘍の縮小及び生存率の延長に寄与しており、がんの再発を抑える可能性も示唆されています。今後、単回投与の医師主導治験、反復投与の医師主導治験、適応拡大などの研究開発が期待されています。

投資家の視点



この新薬の開発には期待が寄せられています。株式会社東京大学エッジキャピタルパートナーズの取締役宇佐美篤氏は、PURMX Therapeuticsの取り組みが国内外のがん治療において重要な貢献をもたらすことを期待していると述べています。

遭遇する課題



悪性胸膜中皮腫はアスベストの曝露が原因で、潜伏期間が長く、予後が不良な癌です。治療法の確立が進んでいないため、MIRX002のような新しい治療法には強いニーズがあります。広島大学内の研究チームは、今後もこの疾患に対するエビデンス構築に貢献することが求められています。

会社の背景



PURMX Therapeuticsは、広島大学発のベンチャー企業として、2021年に設立されました。今後はMIRX002を中心に、他の開発プログラムも推進していく計画です。また、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)の技術を用いた医療製品開発に関わる株式会社スリー・ディー・マトリックスの協力も受け、進化した新しい核酸医薬の開発に向けて取り組み続けています。

結論



PURMX Therapeuticsの資金調達は、がん治療薬の開発をより加速させる契機となります。MIRX002が実用化されれば、それが世界で初のマイクロRNA医薬品として、がん治療の新たな選択肢を提供することが期待されます。

会社情報

会社名
株式会社PURMX Therapeutics
住所
広島県広島市南区霞1-2-3
電話番号
082-257-5290

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