AI技術の発展がさまざまな分野に影響を及ぼす中、株式会社モニタスとパーソナル人工知能を手がけるオルツグループが業務提携を結びました。彼らは、AIを活用したアンケートシステム「Nulltitude」を用いて、AIモニターの生成に向けた実証実験を開始します。これにより、回答者の意見をAIによって反映させる新たな仕組みによって、より正確なデータを集めることを目指します。
AIモニターとは
モニタスは、同社が運営するQzooの43万人のモニターから希望する人々の許可を得て、彼らの個性を反映したAIモデルを生成していきます。企業が「Nulltitude」に対してアンケートの費用を支払うと、属性や母数に基づいてターゲティングされ、生成したAIモニターがそのアンケートに答える仕組みです。AIモニターが回答する際には、実際のモニターに対して謝礼が還元されるという新しい形のリワード制度が取り入れられています。
これにより、オルツは自身のAIアンケートのベースとなる数多くの個人AIモデルを獲得でき、モニタスはモニターにAIによる自動回答の利便性を提供することができます。この取り組みは、両社にとって新たなビジネスモデルを築くチャンスとなります。
実証実験の進行
まずは100人から1万人規模で、小規模なモニターに向けてAIモニターの許諾を取得します。その後、生成したAIモニターの意見が元となる人間の考えと一致するかどうかの調査を行い、実績を積み重ねてまいります。徐々に生成するAIモニターの数を増やし、企業からのアンケート調査を実施しつつ、全体の規模を拡大する計画です。
アンケートモニターの意識調査
今回の提携に関連して、オルツはQzooの会員を対象に実証実験への参加意向調査を実施しました。調査の結果、41.4%が「とても興味がある」または「やや興味がある」と回答。アンケートモニターたちがAIの研究や発展に期待している点では、46.5%が「生活が便利になること」を挙げ、44.6%が「安全の向上」、41.5%が「生活の質の向上」と回答しています。
このように、AI技術がより良い生活を実現するための期待が寄せられていることが分かります。この実証実験が成功すれば、今後のアンケート調査業界に大きな変革をもたらすことが期待されます。
Nulltitudeの仕組み
「Nulltitude」は、人間の個性と特徴に基づいたAIモデルがアンケートに回答することができる世界初のシステムであり、オルツが開発に成功しています。このシステムでは、膨大な数の個人AIモデルが、元の人間のライフログを元にその思考を模倣します。この革新的なシステムが、どのようにアンケートの精度を向上させるか、今後の動向が注目されます。
企業の理念と今後の展望
オルツ社は、「人間から非創造的な仕事を排除し、創造的な仕事に従事できる社会を目指す」という理念の下で事業を行っています。今回の取り組みが人間の貴重な思考やアウトプットとデジタル技術を結びつけ、思考という資産を価値化するきっかけとなることを願っています。これからの活動に注目です。
企業情報
- URL:
https://alt.ai
- 所在地: 東京都港区六本木 7-15-7
- 代表者: 米倉 千貴
- 設立: 2014年
- URL:
http://monitas.co.jp/
- 所在地: 東京都港区芝公園1-1-1