日本ラッドの新IoTプラットフォーム「Dereva」
日本ラッド株式会社は、製造業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)プロジェクトの課題を解決するための新しいIoTプラットフォーム「Dereva」を正式に発表しました。このプラットフォームは、東京ビッグサイトで開催中の「スマート工場EXPO」で初公開され、多くの関心を集めています。
日本ラッドは、顧客企業の「ホームドクター」としての役割を果たすため、長年にわたりソフトウェアやハードウェアの開発に取り組んできました。その結果、製造業の現場向けに数多くのDXおよびIoT関連のソリューションを提供してきました。
特に注目されるのが、同社が独自に開発したリアルタイムデータ可視化ツール「Konekti」です。これは既に多くの顧客に採用されている定番製品であり、生産現場の効率を飛躍的に向上させる役割を果たしています。しかし、この過程で顧客から寄せられた様々な課題も明らかになりました。それらには、データの利活用や人材の活用に関する問題が含まれ、具体的には「多様なデータソースの混在」「可視化は達成したものの次のステップが難しい」「人材とスキルの不一致」「データ処理に必要な時間の増加」などが挙げられます。
これらの課題を解決するために開発されたのが「Dereva」です。このプラットフォームは、インダストリアルIoTとDataOps(データオプス)を組み合わせたもので、データ活用をスムーズにすることを目的としています。具体的には、データの取得から前処理、活用までを完全自動化し、煩雑な作業を軽減します。また、ノーコードおよびローコードに対応したDataOpsツールを提供し、ユーザーにとって扱いやすい設計になっています。
さらに、既に利用中のパッケージソフト(例:Konekti)との連携も可能で、標準化された可視化機能を簡単に活用できます。
「Dereva」のコア機能である「DerevaEdge」と「DerevaDataStream」は、データの蓄積から活用までを手軽に実現することを目的としています。今後は外部データソースとの連携やデータパイプライン構築ツールといった新機能を追加し、現場のニーズに応じた改善を続けていく方針です。このように「Dereva」は、製造業におけるデータ活用型のビジネスモデルへの移行をスムーズにするための革新的なプラットフォームであると言えるでしょう。
DataOpsとは?
DataOpsは「組織内のデータ管理者とデータ利用者の間のコミュニケーション、データフローの統合、自動化を重視した手法」であり、データ管理の効率を飛躍的に向上させることを目指しています。日本ラッドは、この手法を積極的に採用し、顧客ニーズに対応した解決策を提供し続けています。
日本ラッド株式会社について
日本ラッドは、東京都港区に本社を構える上場企業で、ソフトウェアの受託開発やシステムインテグレーションを主な業務としています。創業から54年を迎え、革新的な技術を用いたフルターンキーシステムの構築や運用サービスの提供に注力しています。最近では、AIやIoT技術を活用したソリューションの展開に力を入れています。さらに、台湾アドバンテック社との戦略的提携を通じて、インダストリアルIoT分野でのさらなる成長を目指しています。
今回発表された「Dereva」は、製造業のDXを加速させるだけでなく、企業にとっても画期的なデータ活用の選択肢を提供すると期待されます。今後の展開に注目が集まります。