Adjustが発表した「ファイナンスアプリレポート:2025年版」では、世界のファイナンスアプリが急成長から持続可能な発展の段階へと移行していることが示されています。今年の第三四半期には、ファイナンスアプリのインストール数が前年比で11%増加し、セッション数も16%増加する見込みです。この成長はいずれも2024年の数字と比較して減少していますが、それでも継続的な成長が続いていることが注目されています。
特に注目すべきは、2025年上半期においてファイナンスアプリの成長をリードしたのがラテンアメリカ地域でした。ここではインストール数が前年比59%増、セッション数が70%増と驚異的な数字を記録しています。それに次ぐヨーロッパもインストール数の35%増、セッション数の42%増を果たしています。しかし、アジア太平洋地域(APAC)と北米ではインストール数が減少する一方で、APAC地域は35%のセッション数増加を達成しています。
Adjustのマーケティングディレクター、ティアン・ウェッツラーは、「持続的に成長するためには、正確なデータ解析と真の価値の把握が不可欠」だと語っています。優れたマーケティングチームは複雑なデータを具体的なインサイトに変換し、迅速で自信を持った意思決定を可能にします。このような信頼が重視される市場において、Adjustはマーケターの意思決定をサポートし、持続的な価値創造につなげる役割を果たします。
ファイナンスアプリの継続率についても注目されています。グローバルでの継続率は2023年の13.8%から2025年上半期には12.5%へと低下しましたが、バンキングアプリは20.6%と最も高いパフォーマンスを誇っています。また、ファイナンスアプリの継続率の高い国としては、日本が18.6%、フランスが17.4%、英国とアイルランドが17.2%という結果が示されています。
レポートには、インストールの傾向、セッション数、インストール単価に関する詳細なデータが含まれています。特に決済アプリが他のファイナンスアプリを上回った点が逆にエンゲージメントを高めており、全セッションの58%を占めています。
一方、仮想通貨アプリは前年比90%増という大幅な成長を記録し、2022年の市場下落からのリバウンドを示しています。シェア市場では、株式投資アプリも小幅ながら成長しており、インストール数は前年比1%増、セッション数は8%増となっています。特筆すべきは、アプリ内の滞在時間が平均6.59分と増加傾向にある点で、特に確保されたエンゲージメントが高いことを表しています。
ユーザー獲得費用対効果も向上し、ファイナンスアプリのインストール単価は、1.51ドルから1.13ドルへと低下しました。北米地域では特にこの傾向が顕著で、インストール単価は2024年の7.03ドルから2.92ドルへと急落しています。
Adjustの日本ゼネラルマネージャーである佐々直紀は、「2025年の市場は急成長から持続的な成長へと移行している」と述べており、日本市場において特にバンキングアプリのロイヤリティの高さが際立つことを強調しています。彼は、「正確な計測とデータを基にした迅速な意思決定がビジネス成長に不可欠であり、Adjustはデータを価値に変えるお手伝いをする」と述べ、顧客の持続的な成長を支援することを約束しています。
さらに詳しい調査結果については、Adjustのウェブサイトから「2025年ファイナンスアプリインサイトレポート」をダウンロードできます。