インテックが推進するデジタルパソロジーの新たな境地
富山県富山市に本拠を置く株式会社インテックは、富山県立中央病院と連携し、病理・細胞診検査業務支援システム「EXpath」と周辺機器の導入を支援し、デジタルパソロジーを開始しました。この取り組みは、病理診断における新たな技術の活用を目的としており、医療現場の効率化に寄与することが期待されています。
デジタルパソロジーとは
デジタルパソロジーとは、病理ガラス標本を専用スキャナで撮影しデジタル化し、それを元に病理診断を行う手法です。モニター上で病理標本を観察することで、効率的な診断が可能となります。今回の導入は、全国でも先駆的な例とされており、今後の医療現場に大きな影響を与えるでしょう。
導入の背景
近年、富山県立中央病院の病理部門では、検査の多様化や検体数の増加により、病理医や技師の負担が増していました。そのため、業務の効率化と診断精度の向上が求められていました。インテックは2007年から「EXpath」の導入を行っており、その実績が評価され、今回のデジタルパソロジー導入が決定しました。
デジタルパソロジー導入のメリット
1.
病理医の作業負担の軽減
顕微鏡を使わず、モニター上での操作で診断が行えるため、病理医の負担が軽減されます。これにより、各医師のスキルに依存せずに診断が可能です。また、自宅や遠隔地からの診断も行えるため、働き方改革に寄与します。
2.
マルチベンダー対応のWSIスキャナと画像管理システム
WSIスキャナで得られた画像は「aetherSlide」を通じてアクセスでき、多様なメーカーのスキャナの画像を一つのプラットフォームで閲覧・活用することができます。これにより、迅速なデータ移行や過去データとの連携が可能になります。
3.
AI活用による効率化
AI技術を用いた病理診断支援が可能になることで、病理医が見落とすリスクを減らすことができます。AIによる解析結果が教育にも活用され、若手医師の育成にも寄与することが期待されます。
病理診断科からの期待
病理診断科の石澤伸氏は、このシステムの導入が病理医の勤務スタイルを柔軟にするための重要なステップだとコメントしています。これにより、デジタル技術とAIの積極的な活用が促進され、患者への治療効果を最大化が図られることに期待が寄せられています。
今後の展望
インテックは引き続きAI技術を駆使した研究と共同プロジェクトを推進し、より良い医療環境を提供するための実証実験やシステム導入に注力する予定です。
まとめ
今回のデジタルパソロジーの導入は、富山県立中央病院における病理診断の未来を切り開く重要な試みです。インテックは、医療における技術革新を通じて、患者さんにとって最適な治療を提供するための基盤を築いています。今後も進化する医療技術から目が離せません。