ITエンジニアのマネジメント層に関する調査結果
株式会社ラクスパートナーズが実施した調査によって、ITエンジニアのマネジメント層(リーダー、課長、部長、CTOなど)の年収や経験年数、そして人材の不足感について明らかとなりました。昨今、ITエンジニアの人材不足がさまざまな業界で深刻化していますが、特にマネジメント層における人材の確保が急務とされています。
マネジメント層の年収の実態
調査では、ミドルマネジメント層の年収のボリュームゾーンは500万~900万円であり、その内訳として約8割が501万円以上であることが示されました。特に年収501~600万円の層が最も多く、これがマネジメント層の全体的な評価にも影響を与えています。
役職が上がるにつれて高年収帯に入る割合が増加しますが、CTOや経営層においては年収にばらつきが見られることもデータで確認されました。リーダー層から課長層にかけては、501〜900万円の給与水準が主流で、企業におけるマネジメント層としての役割の重要性が伺えます。
経験年数と昇進の関係
続いて、ITエンジニアとしての経験年数についても調査が行われました。最も多かった回答は「5~10年未満」で、約28.1%がこの層に属しています。なお、おおよそ8割の回答者が5年以上の経験を持っていることから、一定のスキルと知識を培った層がマネジメントに就いていることがわかります。
特に興味深いのは、管理職以上の役職についている人の半数以上がITエンジニア歴10年以上であるのに対し、比較的経験が少ない段階で管理職に昇進している人も存在するという点です。このことは、技術的なスキル以上にリーダーシップや組織マネジメント能力が昇進に影響を与えていることを示唆しています。
人材不足の現状と対策
調査対象者に対し、マネジメント層の人材不足を感じるかとの質問には、なんと約9割が「とても感じている」や「やや感じている」と回答しました。この結果は、IT業界全体での人材不足の緊急性と深刻な問題が浮き彫りになっています。
マネジメント層の人材不足解消のために企業が行っている対策としては、年齢や経験年数にとらわれない採用が最も多く46.5%がこれを実施。次いで、マネジメント層の育成プログラムの開発や、マネジメント経験のない人にも機会を与えることが挙げられています。これにより、さまざまな背景を持つ人材を受け入れることで、柔軟な組織運営の実現を図ろうとしています。
まとめ
ITエンジニアのマネジメント層に関する調査結果は、年収の実態や人材の確保における課題を明らかにしました。特に、現在のIT業界においては、マネジメント層に対する需要が高まっているため、企業は待遇や育成支援を見直す必要があります。今後も多様なアプローチで人材不足問題に立ち向かい、優秀なITエンジニアを育成することが重要です。
すべての調査データは、株式会社ラクスパートナーズの公式サイトからダウンロード可能です。