2025年7月、生誕から数年が経過した後も、依然多くのファンを魅了する漫画『ヒカルの碁』の原画展が開催されました。東京のアニメイト池袋本店の8Fに設けられた「Space Galleria」では、作品の原作であるほったゆみ先生のストーリーと、画家・小畑健先生の素晴らしいイラストが融合した展示が行われています。
この原画展は、囲碁をテーマにした少年漫画としては異色の作品が持つ影響力を再確認する場でもあります。作品の主人公・進藤ヒカルが成長し、ライバル塔矢アキラとの壮大な戦いを繰り広げる過程を、原画や立体物を通して体験できるこの機会は、ファンにとって非常に貴重です。
展示の魅力
会場に足を踏み入れるとまず目に入るのは、ヒカルとアキラのスタンディパネル。来場者は二人の影の中を通過し、ヒカルと佐為との出会いを描いた場面が再現されたエリアに向かいます。碁盤に血の跡が描かれており、物語の深遠な出発点に浸ることができます。
次のエリア「アキラとヒカル編」では、ヒカルの成長とともに変化していくライバル関係が見事に描かれています。生原稿の美しさや、細かい筆致、修正跡を間近で見ることができ、リアルな感覚でストーリーを追体験することができます。これこそが、生原画展の魅力です。
囲碁部室の再現
さまざまなエリアを巡る中で特に印象深かったのは、囲碁部の部室を再現したエリアです。夕暮れの窓から差し込む光の中、碁盤がセットされ、まるでその時代に戻ったかのような錯覚に捉われました。ヒカルの成長を支えた仲間たちの姿を通じて、彼の成長物語への理解が深まります。
実際に登場する筒井公宏や加賀鉄男などのキャラクターが、部活動や人との出会いを通じてヒカルを形作っていく様子が示されています。また、インターネット碁を始めた佐為のシーンもあり、初期の技術への驚きがコミカルに描かれています。
最終的には、プロ棋士編に至ります。ここではアキラとの再戦に臨むヒカルの姿が描かれ、その成長の瞬間を感じ取ることができます。アキラと行洋との対局シーンは特に圧巻で、色鮮やかな原稿からは緊張感がふんだんに伝わってきます。
感動的な瞬間
展示の最後には、ヒカルが佐為のいなくなった世界を描いたエリアがあります。佐為の存在がヒカルの成長にどれほど影響を与えたかを、感情豊かに再体感させられます。思わず涙を流してしまうシーンで、心温まる思い出が詰まった特別映像も上映され、観覧者は感慨に浸ります。
お土産やフォトスポット
最後に、圧巻のカラーイラストが展示されたエリアや、記念グッズの物販が行われているスペースが設けられており、ファンはここでも思い出を残すことができます。特に、佐為との撮影ができるフォトスポットは訪れた際に必ず立ち寄りたい場所です。
このように、多面的な展示によって訪問者は『ヒカルの碁』の世界に没入し、囲碁や漫画への情熱を再燃させることができるでしょう。ぜひこの機会に、展覧会を訪れてその魅力を存分に体感してください!