新たな挑戦:熱燗文化を世界に発信
福島県南相馬市に本拠を置く株式会社haccobaは、2021年2月に創立された酒蔵です。彼らは、自由な酒づくりを求めて、古き良き「どぶろく」文化を現代風にアレンジしながら、革新を続けています。この度の発表は、その展開の一環として、海外でも注目される燗付師・髙崎丈さんとのコラボレーションにより生まれたお酒「The art of NUKA」と「The art of DASHI」です。
2025年6月27日、これらの新しいお酒は世界に向けてデビューを果たします。これらは、熱燗で楽しむことを目的に、米糠と出汁をテーマにした2種類の日本酒です。この企画の背景には、髙崎丈さんの著書「The book of ATSUKAN」の発刊があり、世界中に熱燗の魅力を広めるための重要なステップとされています。
燗酒の新たな可能性
「The art of NUKA」は、地元秋田の自然栽培された米「亀の尾」を原料に、糠を取り入れたお酒です。このプロジェクトに携わった三村怜氏は、ブリコラージュの手法で個々の素材の魅力を引き出そうと試みました。一般には廃棄されがちな「糠」を使用することで、味わいの奥深さを生み出すことに成功しています。焙煎した糠からは、芳ばしい香りや穀物感が引き出され、ストレートな味わいが楽しめます。温度によって異なる香りや味わいを体験できる点も、このお酒の魅力の一つです。
一方、「The art of DASHI」は、日本の伝統的な「出汁」をテーマにしたお酒で、ホタテや干し椎茸を使った風味豊かな仕込み水を使用しています。冷やして飲むと新鮮な果実感が口に広がり、温めると穏やかな旨みが楽しめるという2つの顔を持っています。料理とのペアリングにも最適で、髙崎丈さんが手がけた様々な料理との相性は抜群です。
酒づくりへの情熱
haccobaは、酒づくりにおける自由さを重視しています。彼らは、単なる飲み物としての酒に留まらず、その背景や文化までを含めて、飲む人に深い満足感を提供することを目指しています。代表取締役の佐藤太亮氏は、「自分たちの事業を通して、地域文化と自由な酒づくりを再生することが大切」と語ります。
この取り組みを通じて、彼らは日本の飲食文化が持つ可能性を再発見し、それを世界へと広めることに挑戦しています。日本酒はその多様性や地域性から、世界の飲みの場でも注目されるなど、文化の架け橋となる素材としての役割が期待されています。
購入情報
お酒は、2025年6月からhaccobaのオンラインストア及び、定期営業を行っている小高駅舎醸造所、そしてその他の取扱店にて購入可能です。それぞれのお酒は税込2,860円で、500mlの内容量となっています。自宅での楽しみはもちろん、特別な日のお祝いにもぴったりなアイテムです。
結論
「The art of NUKA」と「The art of DASHI」は、単なる飲み物にとどまらない、日本の食文化の深みを伝える重要な作品です。燗酒という新しいスタイルが、多くの人々に受け入れられる日を期待しつつ、今後の展開に目が離せません。ぜひこの機会に、熱燗文化の魅力を体験してみてください。