学習効果を定量化する感情認識AIの共同研究がスタート

株式会社リバネスと株式会社エモスタが共同で行った研究が話題です。本研究は感情認識AIを活用して学習効果を定量化することを目的にしています。

リバネスは、様々な専門知識や技術をまとめて社会に新しい価値を提供することを目指している研究者集団です。一方、エモスタは、感情を93%以上の精度で認識するAI「エモリーダー」を開発した企業です。このAIは、多人数の感情を同時に解析し、共感度を測定することができます。

この共同研究では、学習コンテンツに対する参加者のエンゲージメントを数値化することを目指しました。従来、感情は行動や思考に多大な影響を与えることが知られていましたが、定量化が難しく研究が進む分野でした。しかし、最近の機械学習や顔認識技術の進展により、感情の定量化が現実的になってきています。関連する市場は2021年には約5.4兆円に達する可能性があり、表情による感情測定技術の重要性が高まっています。

研究の具体的な内容は、熟練ファシリテーターと非熟練ファシリテーターによるワークショップの参加者の感情と学習効果の関係を比較するというものでした。心理学モデルに基づく評価を行うことで、期待される差異がファシリテーター間で見受けられました。特に、熟練ファシリテーターの下では「驚き」「悲しみ」「怒り」といった感情が豊かに表現され、学習効果も高かったと報告されています。

この研究はまだサンプルが少ないため、統計的に有意な結論を導くには至っていません。しかし、ワークショップ中に参加者の感情を計測することで、理解度や記憶定着の可能性を示唆しています。

今後は、学習コンテンツの評価や設計、ファシリテーションにおけるアプリケーションへの発展が期待されています。この研究が行く先には、マーケティングや人材開発の新たな可能性が広がっているかもしれません。エモスタの「エモリーダー」は、私たちのコミュニケーションのあり方を根本から変える力を持っている可能性があります。

株式会社リバネスは、科学技術の発展と地球貢献をテーマに、子供向け科学実験教室や異分野融合の研究支援を行ってきました。一方の株式会社エモスタは、臨床心理士のアレクサンダー・クリーグ氏が開発した「エモリーダー」を中心に、感情データの解析や心理学コンテンツの開発に取り組んでいます。この共同研究の成果は、未来の教育やビジネスの在り方を大きく変えるかもしれません。

ぜひ、これからの研究の進展にご注目ください。