新しい非破壊検査技術
2025-12-02 11:34:29

気泡緩衝材を使った新しい非破壊検査技術の開発が実現!

革新的な非破壊検査技術の登場



芝浦工業大学と東京都市大学の研究チームが、気泡緩衝材の破裂音を利用した新しい非破壊検査システムを開発しました。この手法は、電力を一切必要とせず、環境にも優しいという特長を持っています。研究を主導した細矢直基教授と矢作修一准教授は、安全かつ効率的な検査技術が実現したことを強調しています。

1. 非破壊検査の重要性と課題



非破壊検査(NDT: Non-Destructive Testing)は、構造物や機械の健全性を損なうことなく評価する技術です。従来、スピーカーやレーザー誘起プラズマなど高出力な音源が用いられてきましたが、それらの方法は可燃性物質がある場所や狭い空間での使用に向かないという課題がありました。今回の研究では、こうした従来技術の問題を解決を目指しました。

2. 気泡緩衝材に着目する理由



研究チームは、普段私たちが使うことの多い気泡緩衝材に目を付けました。この材料が出す破裂音は、最大40kHzという高周波数成分を含んでおり、非破壊検査に適していることが示されました。この発見により、高価な機器を必要とせず、また電力が不要な検査システムの実現が可能になりました。

3. 新しいシステムの構築



研究チームは、各種の気泡緩衝材の音圧、パルス幅、周波数帯域などを評価し、最も適した素材を選びました。選定した気泡緩衝材を破裂させ、その音をマイクで測定し、ウェーブレット解析を通じて配管内部の異物を特定するシステムを構築しました。このシステムは、近年の様々な高額機器と同等の精度を実現しました。

4. 環境に優しい技術の展望



今後は、気泡緩衝材を使ったこの非破壊検査技術をさらに改良していく方針です。携帯型デバイスへの展開や、高温・高圧条件下での検証などが計画されています。細矢教授は、「技術革新は必ずしも高価な装置から生まれるわけではありません。身近にある素材こそが、新しい技術の源になるのです」と語っています。

5. まとめ



今回の研究は、私たちの日常生活に密接に関わる素材から、科学的な再評価を通じて新たな価値を生み出した好例です。気泡緩衝材を使用したこの新しい非破壊検査技術は、安全かつ低コストで、環境に配慮した方法として、今後の産業界における広がりが期待されています。

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芝浦工業大学、東京都市大学
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