愛媛発、EVの未来を見据えたモデルが登場
愛媛県がデジタル実装を加速化する取り組み「トライアングルエヒメ2.0」において、株式会社MobiSaviと愛媛日産自動車が新たなEV普及モデルの構築に挑戦しています。このプロジェクトは、性能証明と残価保証を組み合わせたリユースEVを通じて、持続可能な社会の実現を目指しています。
現状のEV市場における課題
世界中でEVの普及が進む一方、日本では使用済みEVが海外に流出している現実があります。これらの車両は国内で再利用されず、資源循環がなかなか実現できていません。この課題に挑む形でMobiSaviと愛媛日産が提案するのが、リユースEVの残価保証による価値の明確化です。
プロジェクトの取り組み内容
このプロジェクトでは、以下の3つの主な方針で事業を進めていきます。
1. EV性能評価システムの開発
走行データや充電情報を元に、EVのバッテリー劣化や航続距離を科学的に可視化します。この情報を「性能証明書」として提供し、消費者に対する透明性を高めることを目指しています。
2. 残価保証付きリユースEVの販売
「性能証明書」をもとにしたリユースEVの特性を可視化し、利用者が安心して選択できる環境を整えます。また、愛媛日産による残価保証も併せて実施し、リユースEVの再販時の価値を担保します。
3. バッテリー性能保証の仕組み
ユーザーがリユースEV購入時に懸念するバッテリーの性能を、東京海上日動火災保険が提供する保証によってカバーします。この取り組みにより、消費者は安心してEVを選ぶことができるようになります。
中古EVリースの導入
2025年度には、愛媛県内企業への中古EVリース導入を進め、実際の取引を通じて市場からの受容性を検証します。これにより、リユースEVの導入を促進し、実効性のあるモデル確立を目指します。
将来的な展望
本プロジェクトは2027年度以降に大規模な展開を目指しています。MobiSaviと愛媛日産は、EVの新たな価値を創出し、地域経済の活性化と脱炭素社会の実現を目指していきます。
会社概要
MobiSaviは、「FACTEV」などのEV導入支援ツールを提供し、国内におけるEV普及を進めている企業です。愛媛日産は、これまでのEV整備経験を活かし、リファービッシュEVビジネスを展開するなど、地域未来に向けた新たな挑戦を続けています。
このように、愛媛県のプロジェクトはEVの普及を加速し、サステナブルな循環型社会の構築につながる大きな一歩と言えるでしょう。今後の動向に注目です。