がん治療後のリンパ浮腫を知っていますか?
がん治療を受けた女性たちが抱える見えにくい悩み、リンパ浮腫。近年、全国の女性がん患者を対象に行われた調査では、その認知度や実態が浮き彫りになりました。リサーチの結果、がん手術後に発症するリンパ浮腫について、病院以外から情報を得る方が多いという驚きの結果が出ています。
調査結果の概要
東京都中央区にある「銀座リプロ外科」の院長、永尾光一医師の元で、医療法人社団マイクロ会が実施した調査によると、130名の女性がん患者に対して行った結果、約7割もの方々が病院や医師からではなく、テレビやSNS、友人や患者会を通じてリンパ浮腫を認知していることが分かりました。これは、特に不安を抱える患者にとって病院外の情報がどれほど重要かを示すものです。
リンパ浮腫とは
それでは、リンパ浮腫とはどのような病気なのでしょうか。これはがん手術や放射線治療に伴ってリンパ管が損傷し、リンパ液が適切に流れなくなることで手足がむくむ状態です。命に関わるものではありませんが、慢性的なむくみは生活の質を著しく低下させる場合があります。この病気は日本国内で約7万から25万人、世界ではなんと約2.5億人が苦しんでいるとも言われています。
患者の意識について
調査対象の中で「むくみ」を感じたことがあると答えた方々の中には、実際にむくみを放置して悪化した経験がある方が約4割もいるという結果も出ました。「むくみを感じた時、どのように思ったか」という問いには、多くが「疲れや体質だと思った」と感じていることもわかりました。病気として意識されず、むくみをそのままにしてしまうケースが多いのです。
新たな治療方法の認知
また、LVA手術(リンパ管静脈吻合術)という日帰り手術についての認知度は非常に低いものでした。知っていると回答したのはなんと11%にとどまり、しかし知っていれば治療の選択肢に入りたいと考える方は約6割にのぼりました。これは、正しい情報の発信が必要であることを示しています。
新設されたリンパスリム外来
銀座リプロ外科では、新たに「リンパスリム外来」を設立しました。この外来ではリンパ浮腫の保存治療から手術に至るまで、一貫して治療を受けることが可能です。圧迫療法や運動療法、そして希望者にはLVA手術も行うことができます。研究結果を受けて、多くの患者さんに正しい治療法を知ってもらい、実際に体験していただける機会がここに用意されました。
まとめ
これまでリンパ浮腫に関する情報が不足していた中、新たに設けられた外来を通じて、より多くの患者が適切な治療を受けられることが期待されます。永尾医師は、「リンパ浮腫を早期に専門医に受診することが重要です」と述べており、患者の健康と生活の質を向上させるために、医療機関と患者の連携が必要です。正しい知識と治療方法を知ることで、患者自身が積極的に治療に取り組む姿勢が求められています。
医療機関情報
医療法人社団マイクロ会銀座リプロ外科
所在:東京都中央区銀座2-8-19 FPG Links GINZA 6F
予約方法:電話 03-5159-2240 メール
[email protected]
外来名:リンパスリム外来
実施日:火曜日・木曜日(完全予約制)
費用:自費 5,500円(材料費別)
リンパ浮腫の悩みを抱える方へ、ぜひ一度クリニックを訪れてみてはいかがでしょうか?