中村キース・ヘリング美術館での2つの特別展が始まる

2つの展覧会が同時開催

山梨県小淵沢町に位置する中村キース・ヘリング美術館で、2025年6月7日から2026年5月17日までの期間に、「Keith Haring: Arching Lines人をつなぐアーチ」展と「北川原温時間と空間の星座」展が同時開催されます。これらの展覧会では、アートと建築の両方の視点から、各々の作品や展示が観客を魅了します。

キース・ヘリング展の見どころ

「Keith Haring: Arching Lines人をつなぐアーチ」展では、ヘリングが新たに収蔵した彫刻《無題（アーチ状の黄色いフィギュア）》が展示されます。この全長5メートル以上の彫刻は、彼の彫刻制作の出発点を象徴しており、特に1980年代に彼が地下鉄の広告板に描いた作品を通じて、社会とのつながりを模索していた様子が浮かび上がります。また、各地での壁画や「ポップショップ」運営を通じて、多くの人々にアートを広めました。

本展ではヘリングの異なる作品を比較し、彼の造形表現の進化を探求します。例えば、太く均一な線から生まれた平面作品や立体作品を一堂に展示し、観客はその一貫性を体感できます。社会活動など、アートと社会を結びつけるさまざまなプロジェクトも紹介され、ヘリングのアートが持つ影響力を感じ取れる内容になっています。

北川原温展の魅力

同時に開催される「北川原温時間と空間の星座」展は、建築家北川原温の初個展であり、彼のユニークな美学や設計哲学に触れる貴重な機会です。北川原氏は、日本のポストモダン建築の先駆者とされ、彼のデビュー作「ナジャの家」から始まり、独創的な建築を次々と生み出してきました。この展覧会では、彼の設計の背景にあるストーリーや、模型、ドローイング、資料を使い、彼の考え方やプロセスを視覚的に表現します。

本展では、北川原氏の創作のインスピレーション源である「星」に着目し、複数の要素が繋がることで、空間がどのように形成されるのかを明らかにします。また、八ヶ岳南麓に位置する彼の建築作品も、地域との結びつきを強調しながら紹介されており、観客はそのデザインと自然環境との調和を体感できます。

展覧会の詳細

中村キース・ヘリング美術館は、両展を通じてアートと建築の複合的な体験を提供します。観覧料は大人1,500円、16歳以上の学生800円、障がい者600円、15歳以下は無料となっており、幅広い年齢層の方にお楽しみいただけます。

この貴重な機会を逃すことなく、是非両展覧会を訪れ、キース・ヘリングのアートと北川原温の建築美学に触れてみてください。両展の情報や最新情報は、公式ウェブサイトでご確認ください。