株式会社NearMeの事業戦略発表会
ソーシャルデザインカンパニーとして名高い株式会社NearMe(以下、ニアミー)は、2025年10月28日に『NearMe事業戦略発表会 2030年移動課題に向けた道筋』を開催しました。会場には、国土交通省や地方自治体の関係者をはじめ、旅行業界の有識者が多数参加し、移動の未来について語り合いました。まず、代表取締役社長の髙原幸一郎氏がニアミーの創業以来の取り組みと、ミッション「暮らしの『もったいない』をなくし、『次のあたりまえ』をつくる」について紹介しました。
ニアミーは、移動課題に愚直に取り組み、「質の改善」を目指す事業を展開。主力となるエアポートシャトルサービスを皮切りに、全国各地のニーズに応じたサービスを展開してきました。特に今回の発表会では、そのブランドメッセージを刷新し、『予約でおトク、ラクちん。配車サービス NearMe』とすることで、ITモビリティパートナーとしての役割を強化、独自のAIを活用した効率的な輸送手段の提供を目指しています。
各社との協働による未来への道筋
発表会には、他にもさまざまなパートナー企業が参加し、連携プロジェクトについて意見を交わしました。国土交通省の内山裕弥氏は、地域交通の「リ・デザイン」の重要性を強調し、持続可能な交通システムを目指すためのプロジェクト「COMmmmONS」について解説しました。これは、地域交通の効率化を図るためのDX推進プロジェクトであり、ニアミーの技術が活かされた「リアルタイム相乗りタクシーマッチングシステム」もその一環とされました。
熊本県の脇俊也氏は、観光地における移動課題の改善を語り、誰もが快適に訪れることができる観光環境の整備を進めていることを示しました。そして、株式会社西武ホールディングスの青木啓史氏は、訪日客の増加に伴い、ニアミーとの連携で移動サービスをより便利にする実証実験を進めていると話しました。
中国との連携による国際プロジェクト
今回の発表では、中国最大手の春秋航空と阿宝株式会社とも連携して、訪日中国人旅行者向けのモビリティ体験向上を目指す国際連携プロジェクトが発表されました。髙原社長は、先行き不透明な状況の中で、訪日旅行者に向けて正規ルートでの利便性を高め、地方活性化に寄与する方法を模索していることを示しました。特に、WeChatの特性を活かし、旅行者が手軽に送迎や相乗りを予約できる仕組みも整備中です。
未来に向けた新たな施策
さらに、ニアミーは「仮想停留所(NearMe Spot)」の整備や日本マイクロソフトとの協業によるAIエージェントを活用した予約システムの導入を発表しました。この施策は、利用者に最適な移動体験を提供することを目的としており、地域の特性を反映したサービスを強化していく考えです。
2025年のJapan Mobility Showへの参加も予定されており、そこで髙原社長が自身のビジョンを語ります。加えて、台湾最大の国際旅行博への出展も決まり、増加する台湾からの旅行者の移動体験を向上させるための国際的な取り組みが注目されています。最後に髙原社長は、「移動の『もったいない』を解決し、より多くの人々が自由に移動できる社会を実現したい」と述べ、参加者に対して将来のビジョンを示しました。
結論
ニアミーの発表会は、地域と観光の未来に向けた新たな挑戦への第一歩となりました。今後の具体的な施策や、各社とのプロジェクトが実を結び、移動課題の解決に寄与することが期待されます。