世界の生計費ランキング、東京は順位を下げ49位に
人材コンサルティング会社のマーサーが発表した「2024年世界生計費調査」で、香港が昨年と同じく首位に輝き、シンガポールが2位に続きました。3位から6位まではスイスの4都市が独占しており、欧州都市の強さが目立ちます。一方、東京は前回の19位から順位を下げて49位にランクインしました。
今回の調査では、世界226都市の生計費をニューヨークを基準として比較しています。調査対象は住居費、交通費、食料、衣料、家庭用品、娯楽など200品目以上で、2024年3月のデータを基にしています。
世界の生計費高騰がもたらす課題
マーサーは、生計費の高騰が企業と従業員双方に大きな影響を与えていると指摘しています。企業は海外駐在員の報酬戦略を見直す必要があり、従業員は生活費の高騰に対応するためにライフスタイルの調整を迫られる可能性があります。
特に、住居費の高騰は深刻な問題となっています。香港やシンガポールなど、土地の面積が限られている都市では、住宅供給が不足し、高額な家賃が海外駐在員の負担となっています。
日本の現状と今後の課題
東京が順位を下げた要因としては、円安や物価の上昇が挙げられます。日本円は近年対米ドルで大幅に下落しており、海外からの物価上昇の影響も受けやすい状況です。
日本の企業は、海外駐在員の報酬パッケージを充実させることで、人材確保や海外事業の拡大を図る必要があるでしょう。また、従業員に対しては、海外生活の支援体制を強化し、生活費の負担を軽減する施策を検討する必要があると考えられます。
今後の注目点
今後の世界生計費の動向は、世界経済の動向やインフレ率に大きく左右されるでしょう。企業は、生計費の変動を常に注視し、適切な報酬戦略を策定する必要があります。従業員は、海外生活における支出を管理し、生活費の高騰に対応するための工夫を凝らす必要があるでしょう。
マーサーの世界生計費調査とは?
マーサーの世界生計費調査は、世界で最も包括的な生計費調査の一つであり、多国籍企業や政府機関が海外駐在員の報酬・手当を設定する際に利用されています。同調査は、世界400都市以上の物価を調査し、ニューヨークを基準として比較しています。
調査内容
マーサーの世界生計費調査では、住居費、交通費、食料、衣料、家庭用品、娯楽など200品目以上の価格を調査しています。調査対象は、国際的な基準に基づいて選ばれており、海外駐在員が日常的に利用する商品やサービスが含まれています。
調査結果の活用
マーサーの世界生計費調査の結果は、企業が海外駐在員の報酬戦略を策定する際に役立ちます。また、政府機関が海外駐在員の生活費に関する政策を立案する際にも参考にされています。